<NBA>「八村塁はレイカーズ2人目のキーマン」 佐々木クリスが語るプレーオフの見どころ
--西カンファレンスの注目選手を教えてください。
上位チームについては先ほど話した通りですが、やっぱりロサンゼルス・レイカーズのレブロンとゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーですね。レブロンが39歳、カリーは36歳。この年齢で彼らがプレーしていることに感謝して、噛み締めています。彼らが見せるパフォーマンスの生き証人となれること自体が、僕の一つの大きな喜びになっています。
--八村塁も所属するレイカーズについてお聞かせください。レイカーズはプレーイン・トーナメントに出場すると思われますが、勝ち進んでいくためには、どのような戦い方をすればよいでしょうか。
2020年にレブロンとアンソニー・デイビスで優勝した時は相手を飲み込む運動能力とディフェンス能力で、そこからファストブレイクで勝つチームという印象があったと思います。デイビスがいるチームは常にディフェンスのチームと思っていて、どれだけそのディフェンスのポテンシャルが発揮できるかっていうのをずっと考えてきましたが、実は今シーズンのレイカーズは2月に入ってからオフェンスがリーグ2位に到達しているぐらいオフェンシブなチームに変貌しました。さらに同じ2月以降だと3ポイント成功率1位がボストンの40.6%で、2位がレイカーズの40%です。この爆発的なハイパーオフェンスを維持するためには、3ポイントが必要不可欠です。デイビスとレブロンの2人合わせたペイント内の得点が1試合で25~30得点。ただそのペイントの煩雑さとか、相手がペイントに集中して守るのを解消するためには、ディフェンスを広げないといけない。
その中で今季の八村選手は引き立て役ではありますけども、デイビスやレブロンと一緒にプレーすること、そして彼らと一緒にプレーするためには何が必要かっていうことが、いよいよ腹落ちしてからのパフォーマンスが非常に高いと思います。だからこそ2月15日のユタ・ジャズ戦でキャリアハイの36得点を記録しましたし、32点取った3月28日のメンフィス・グリズリーズ戦ではキャリアハイの3ポイント7本成功させました。これまではキャリアの中では中間距離の2ポイントと3ポイントの日が1対1ぐらいの割合だったところを、今はミドルレンジ1本に対して3ポイントは2本ぐらいと2倍の頻度で3ポイントを放っています。常に3ポイントだけ打っていくとディフェンスも守りやすいですけど、八村選手はドライブする判断が良くなっているので、3ポイントを見せつつ、レブロンとデイビスの合わせで飛び込んでそこからのダンクとかバリエーションが多彩です。こういった判断力とショットセレクションが向上して、レイカーズのオフェンスに上積みを作っています。それがレイカーズにとってすごく大きいことだと思います。