<NBA>「八村塁はレイカーズ2人目のキーマン」 佐々木クリスが語るプレーオフの見どころ
ナゲッツは、現役最強選手の二コラ・ヨキッチがいます。今季はおそらくキャリア3度目のMVPを獲得すると予想します。昨季王者がファイナルに進まない画は描きにくいぐらい、このヨキッチには支配力があり、重要なゲームになればなるほどその力が発揮されます。ナゲッツは先ほど圧倒的に強いといったセルティックスに対して今季2勝していますし、本気のゲームになった時のギアの上げ方が全く違います。
--ヨキッチのどのあたりが凄いのでしょうか。
強いていえば、彼だけ2秒先の未来を予見しながらプレーしている感じですね。ヨキッチは見えているものが違います。最近のナゲッツは、ジャマール・マレーが不在で落とすゲームも増えていますけど、ヨキッチは遊んでいるとは言わないまでも、どこまで相手を欺けるかとか、相手を操れるかとか、先々を踏まえて試している感じに見えます。スターウォーズのジェダイみたいに相手を操れる感じですね。例えばジェダイが「あなたは扉を開ける」みたいに言うような感じで、ヨキッチがディフェンスに「あなたはこっちに動く」と言って動かして、逆にパスを出すみたいなイメージです。そして操った先にチームメイトたちがあうんの呼吸で反応しています。そんなナゲッツのカギを握るのは、アーロン・ゴードンなので、ヨキッチとゴードンの動きを見ているのは面白いと思います。
--ティンバーウルブズ好調の要因はなんでしょうか。
僕は4位くらいに予想していましたので上位にいるのは不思議ではないのですが、ここまで首位争いに絡んでくるとは思いませんでした。その中で、何と言ってもリーグトップのディフェンスが好調の要因です。オフェンスでは通称“アントマン”のアンソニー・エドワーズが、いよいよ球団の顔として攻撃を牽引しています。特に彼のダンクシュートは、アベンジャーズに出てくるアイアンマンが叩き込んでいるのではないかと思わせるぐらいの跳躍力で人間離れしています。このエドワーズとルディー・ゴベアの2人が最重要プレーヤーだと思いますが、ベテランのマイク・コンリーがその2人をうまく操っています。コンリーは古き良き時代のポイントガードで、うまく手綱を引いて最高のバランスになっています。ただディフェンスのチームなので、ヨキッチがいるナゲッツやセルティックスなどと比べると、終盤にオフェンス力が低下する課題を乗り越えることが、彼らのプレーオフでの成功を左右すると思います。