<NBA>「八村塁はレイカーズ2人目のキーマン」 佐々木クリスが語るプレーオフの見どころ
--サンダーは若い力が躍動して上位争いしています。その中で注目選手は誰でしょうか。
なんといってもチームの柱はSGA(シェイ・ギルジャス・アレクサンダー)です。彼が昨季からMVP級の領域に入ってきて、いよいよ今季は正当なMVP候補の一人になったわけです。SGAがすごいのは分かっていたけど、正直言ってサンダーが50勝するとは思いませんでした。NBAで最も平均年齢の若いチームの一つがここまでの戦いをするとは思っていなくて、好調の理由の一つはチェット・ホルムグレンが即戦力で活躍していることです。3ポイントも打ててブロックも凄い、リーグ屈指のストレッチファイブです。とにかくサンダーは1年目、2年目の選手たちの貢献度がすさまじいです。ペイントアタックする選手と3ポイントを打つ選手が、“ウニいくら丼”みたいに最高級の状態でそろっています。SGAは4シーズン連続でリーグトップのドライブ数をマークしていますし、その周囲に優秀なシューターがいます。そんなサンダーは手に負えない状態ですね。SGAの他に注目して欲しい選手は“ジェイダブ”の愛称で親しまれているジェイレン・ウィリアムズ。来年のオールスター出場は堅いと思うほどの選手です。プレーオフになると経験がものを言うと言われますが、サンダーに関してはそういったことは問題ならずに勝ち進むチャンスは十分にあると思います。
--17日からプレーイン・トーナメントが始まり、21日からはプレーオフに突入します。注目している選手を教えてください。
東カンファレンスだと、フィラデルフィア・76ersのジョエル・エンビードです。出場1分あたり1点以上を超える得点力は、現代バスケでは考えられません。現1位のセルティックスにとって1番の天敵となりそうなのがエンビードです。ミルウォーキー・バックスはデイミアン・リラードです。ヤニス・アデトクンボとコンビ結成1年目で本領発揮できるか楽しみです。そして意外とオーランド・マジックが下克上を起こすのではないかと注目しています。特にパオロ・バンケロは要チェックです。彼は現代的なオールラウンダーで、次世代のレブロン・ジェームズに近い要素を持っています。NBA2シーズン目で、しかもパワーフォワードで攻撃をけん引するのは、類まれなる支配力やプレーの読みを持っていると思います。プレーオフになると、バンケロのような大柄なサイズで何でもこなせるフォワード選手が重宝されます。とても良いディフェンスもするマジックのリーダーであるバンケロが、彼らに少し足りないオフェンスの部分で突き抜ける何かを見せてくれるとマジックは台風の目になると思います。