難病患者の静岡県施設料金を減免へ 2025年度から、県議会知事答弁
静岡県議会12月定例会は6日、公明党県議団の山本彰彦氏(静岡市葵区)が代表質問、無所属の桜井勝郎氏(島田市・川根本町)と自民改革会議の伊藤謙一氏(袋井市・森町)が一般質問を行った。鈴木康友知事は県有施設の利用料の減免対象になっていない指定難病の患者を2025年度から減免対象に加える方針を明らかにした。難病患者の社会参加促進に向け、市町に対しても公共施設利用料減免の対象拡充の働きかけを行う。山本氏への答弁。 県有施設の多くは、障害者手帳を所持する人を対象に減免を行っているが、障害者手帳を持たない難病患者は対象外だった。 新たに減免の対象になるのは、特定医療費(指定難病)受給者証や登録者証の所持者。県立美術館(静岡市)や県富士山世界遺産センター(富士宮市)、ふじのくに茶の都ミュージアム(島田市)、三ケ日青年の家(浜松市)など12施設で利用料が減免される。知事は「障害者差別解消法の理念を踏まえ、より主体的に施策展開する必要がある。障害や疾病の有無で分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を図る」と述べた。 難病患者に関しては、症状の基準を超えた患者が取得できる医療受給者証を持たない軽症患者はこれまで難病を証明できるものがなく、障害福祉サービスを受けにくい状況にあった。症状の程度を問わずに登録できる登録者証の発行がことし4月から始まったことを踏まえ、県は利用料減免の利点を訴えて登録促進を図る考え。青山秀徳健康福祉部長は「登録者証への登録を促すことも重要」と述べ、関係団体に協力を求めて周知を図るほか、受給者証の新規登録や更新時に呼びかける方針を示した。 県疾病対策課によると、23年度末時点で特定医療費(指定難病)受給者証の所持者は2万8633人、登録者証は24年10月末時点で97人いる。
静岡新聞社