「ペンギンは飛べないとずっと言ってきたのは間違いでした」、激レアな現象を目撃!
勇気を振り絞ったコウテイペンギンのひなたち、「2024 写真が記録した1年」撮影秘話
映像作家でナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)であるバーティ・グレゴリー氏は、8年にわたって南極でペンギンを撮影してきた。ところが2024年、自らが司会も務めるドキュメンタリー番組を撮影中に、それまでほとんど知られていなかった現象を目にすることになった。 【動画】勇気を振り絞って「飛ぶ」コウテイペンギンのひなたち、初の映像 若いコウテイペンギンが一列に並び、高い氷床から地平線に向かって消えてゆく。 さっそくドローンを飛ばしてみたところ、ペンギンたちが氷床の絶壁に沿って集まっていることがわかった。 「まさか飛び降りてはいないだろう。15メートルだよ!」。グレゴリー氏は信じられないという表情を浮かべた。 若いペンギンたちは、1カ月ほど前に親離れし、ここに置き去りにされたばかりだ。つまり、海で狩りをして、自力で食べものを見つけなければならない。 通常、ペンギンの初泳ぎは、繁殖地のそばの低い氷の周辺で行われる。ただし、コロニーがもっと高い場所にある解けない氷床で見つかることもある。気候変動の関係で、このようなケースが増えているようだ。 若いペンギンたちは、次々に崖から飛び降りていく。「ペンギンは飛べないとずっと言ってきたのは間違いでした」。撮影中の様子を収録しようとしてカメラを向けると、グレゴリー氏はそう言った。
文=Heidi Schultz/訳=鈴木和博