「見た目の破壊力エグっ…」 『ガンダム』一年戦争時に生まれた「奇抜すぎるマイナー機」
■不採用機をニュータイプ用に改修?
アニメ『機動戦士ガンダム』のなかでも、とびきりインパクトのある姿で目を引いたのがモビルアーマー「ザクレロ」だ。大きな目と口がある巨大な顔のような形状、そして両手には2本のヒートナタを備える超個性的な機体だ。 アニメの32話に登場したザクレロは「実用テスト前に放棄された」機体ながら、ガンダムとガンタンク相手に善戦しつつも撃墜される。しかし、戦ったアムロには「こちらのコンピューターで簡単に動きが読めた」と言われてしまった。 そんなザクレロを再利用し、ニュータイプ用の機体にカスタイマイズしたのがモビルアーマー「ブラレロ」だ。同機は「MSV-R」にて設定が判明し、ゲームの『SDガンダム ジージェネレーション ジェネシス』(バンダイナムコエンターテインメント)や人気コミック『機動戦士ガンダム アグレッサー』(小学館)などにも登場する。 ブラレロとは、いわばサイコミュを搭載したザクレロのこと。試作モビルアーマー「ブラウ・ブロ」の有線式メガ粒子砲を小型化してザクレロに組み込んだ機体で、「ブラ(ウ・ブロ)+(ザク)レロ」でブラレロだ。 ただでさえ尖った見た目のザクレロの後部に、ブラウ・ブロの有線式メガ粒子砲が取り付けられ、さらに奇怪なフォルムとなっている。 また、そのやっつけぶりからは急遽開発されたことがうかがえる。『ジージェネレーション ジェネシス』によると、ブラレロはわずか1か月で完成に至り、ジオン公国軍の最終防衛拠点「ア・バオア・クー」に配備。ニュータイプパイロットの練習機として運用されたという。 とはいえ正式採用されなかったザクレロは、ブラレロというかたちで一応日の目を見ることになり、ザクレロのパイロットだったデミトリー曹長も浮かばれることだろう……。
■連邦軍も迷走!? ハリボテのニュータイプ専用機
ここまでジオン公国軍のヘンテコメカを紹介してきたが、実は地球連邦軍にも「どうしてこうなった?」と言わざるを得ない機体が存在する。それが「NT試験用ジム・ジャグラー」だ。 曲芸師を意味する「ジム・ジャグラー」の両肩には、支援ポッド「ボール」が2機くっついた、あまりにも衝撃的なビジュアルをしている。 このジム・ジャグラーはゲーム『ジージェネレーション』シリーズに登場したオリジナル機体。その設定によれば、一年戦争末期にジオン公国軍のオールレンジ攻撃を脅威に感じた連邦軍が、それを真似て開発した機体とのこと。機体を操縦するパイロットと、オールレンジ攻撃用のポッドを操作する人員が必要で、二人乗りの機体となっている。 サイコミュなどは搭載されていないため、攻撃用ポッドは遠隔操作ではなく、すべてマニュアル操作というお粗末な作り。ようするに「NT(ニュータイプ)試験用」というのはカッコだけのハッタリである。 実際に完成度は低く、マニュアル操作によるオールレンジ攻撃もうまくいかないまま一年戦争は終結。その後ジオンの技術を接収した連邦にとっては、完全に不要な機体となってしまった。 『機動戦士ガンダム』の舞台である一年戦争時に開発された、アニメには登場しない個性的な機体を紹介した。たまには、こういった超マイナーな機体にも目を向けてみると、とびぬけた異形もどことなく愛らしく思えてこないだろうか!?
クロハチ