関西経済界 万博成功へ向け「ワン関西で取り組む」「万博が始まった」
2025年大阪万博の開催決定に伴い、関西経済界の主要3団体の首脳陣が28日午後、大阪市北区で記者会見し、万博への意気込みや取り組み方法を表明した。会見に出席した関西経済連合会の松本正義会長らは「万博成功へ向けてワン関西で取り組む」と、誘致成功につながった一丸態勢の継続を強調したうえで「万博の本番が始まった。アイデアを募って新しいレガシーを作り、中小企業や若い人がチャレンジできる万博にしたい」と、意欲を示した。また関西経済界は、会場整備費の民間負担分の調達という大きな課題が改めて浮き彫りとなった。 【会見映像】関西経済界の主要3団体の首脳陣が28日大阪市北区で記者会見
「多くの協賛企業が一体となり誘致勝ち取れた」
この会見に出席したのは、松本会長のほか、大阪商工会議所の尾崎裕会頭、関西経済同友会の黒田章裕、池田博之両代表幹事。冒頭、松本会長が「政府、議員、自治体や多くの協賛企業が一体となった取り組みで万博誘致を勝ち取れた」と謝意を述べ、「これからも関西が力を結集し、ワン関西で万博を成功させたい」と、一丸態勢の継続を強調した。
尾崎会頭「若い人たちがチャレンジできる万博を実現したい」
尾崎会頭は「万博の開催は6年半後だが、万博の本番が始まったと考えている」と臨戦態勢を示し、「今からいろんなアイデアを募って新しいレガシーを作り、中小企業や若い人たちがチャレンジできる万博を実現したい」と、早くも将来を見据えた。 黒田代表幹事は「万博開催決定から数日しかたたないが、パビリオンを出すにはどれぐらいの資金が必要なのかと、周囲の経済人から聞かれた」と明らかにし「企業グルーブを作って長期的展望で万博に取り組もうかという話にまで広がっている」と、経済界での機運醸成を歓迎した。
世論の盛り上がりを実感、素晴らしい万博につなげたい
池田代表幹事は「食堂の女性従業員にも、(開催地決定の)テレビニュースで見ましたよと声をかけられた」と、世論の盛り上がりを実感したという。 また「過去の外交や国際貢献の実績が、海外からの日本を応援したいという支持拡大につながった。オールジャパンの勝利を素晴らしい万博につなげたい」と話した。
資金調達専門の新しい調整機関設置の可能性を示唆
誘致活動に続く大きな課題は、会場整備費の確保。総額1250億円と見込まれ、国、自治体、経済界がそれぞれ400億円超を負担する。 関西経済界の取り組みに関し、松本会長は「整備費の調達方法は早めに決めておくべきだ。万博は国全体で推進するナショナルプロジェクトであるとともに、関西経済界の役割や責任は重いととらえている」と表明。 「いろいろな企業に負担を呼びかけるうえで情報を整理する組織が必要かもしれない。事務局をどこに置くかなど、3団体で協議して詰めていくことになるだろう」と、資金調達専門の新しい調整機関設置の可能性を示唆した。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)