実力は本物? モデルボクサー世界王者実現へ前進
■TKOで高野はプロ4連勝 モデルボクサーは本物だった? モデルボクサーの高野人母美(26歳、協栄)が、12月31日、大田区総合体育館で行われたスーパーフライ級4回戦で大石久美(33歳、ワタナベ)を2ラウンド1分25秒TKOで葬りデビュー後、プロ4連勝を果たした。 【写真・記事】モデルボクサー 仰天”セクシー”パフォーマンスを披露 高野は、リーチ差約20センチを生かして距離を取った。大石が強引に中に入ってくるところに打ち下ろしの右ストレートを叩き込む。それでもプロ4戦目にして初めて顔面にパンチを被弾。美しいマスクにうっすらと鼻血が滲んだ。2ラウンドに入って、再び右がヒットするとラッシュ。早いストップで有名な審判のビリー・マーチンは、そこで試合を止めた。 ■悔しさをにじませた対戦相手の大石 「止めるのはちょっと早かった……もっとやりたかったけれど……リーチが長いので確かにやりにくかった。でもパンチ力はなかったので効いたパンチはありませんでした」 大石が言葉を搾り出した。前日の計量で、芝居かかったパフォーマンスにつき合わされ、「ボクシングでどっちが本物かを見せてやる」と赤い炎をメラメラと燃やしていた大石だったが、スーパーモデルの恵まれたフィジカルの前に歯が立たなかった。 高野は、試合が終わっても、なかなか緊張感が解けなかった。デビュー戦を除くと残りの2試合は“噛ませ”が、プロ4戦目にして初めてのガチなマッチメーク。かなりのプレッシャーがあって前夜は一睡もできなかったという。 「大石選手が中に入ってきたので『やばい!』と手を出していたら終わっていました。緊張しました。顔を殴られて焦ってしまった」 ■高野「顔なんかどうなってもいい」 モデルとして顔は、商売道具ですからね? 報道陣がそう聞くと「顔なんかどうなってもいいんです。負けることのほうが辛い。毎日、ボクシング中心の学校のような生活を送りながら、あきらめない気持ちを学びました。ボクシングって楽しいですね」と笑った 控え室の椅子に座った高野は、もう綺麗な顔をしていた。この日は、朝起きて座禅をすると豚肉を500グラムもしゃぶしゃぶにして食べた。スタミナ貯蔵は十分だったが、緊張は解けず、花道に多くの応援ノボリが立っているのを見たとき「大晦日なのにみんなに申し訳ない」と、涙があふれたという。