先輩のエピソードで「ガクチカ」アピール→内定ゲット 会社にばれたらやっぱマズい?
●虚偽申告のアドバイスで「賠償責任を負う」可能性も
──ガクチカの虚偽申告をアドバイスした人間が何らかの法的責任を負うことはありますか。 悪質な経歴詐称により会社に損害が生じた場合、労働者は損害賠償責任を負うことがあります。 裁判例では、労働者が詐称した経歴をもとに賃上げを求め、賃金が増額となった事案で、労働者の言動は詐欺の不法行為に当たるとして、賃金の増額分の賠償を命じたものがあります(東京地裁平成27年6月2日判決)。 さらに、経歴詐称をアドバイスした人についても、労働者をそそのかした結果、労働者が面接で経歴を詐称し、会社に損害を与えたということであれば、労働者と共同で不法行為をしたとして、損害賠償責任を負う可能性があります。
【取材協力弁護士】 山本 幸司(やまもと こうじ)弁護士 山本総合法律事務所 広島弁護士会所属。企業法務(上場企業、医療機関など)、相続、不動産、労働、離婚問題、刑事事件などの分野で経験を積み、広島市で独立開業。税理士と共同して、法務・税務の両面からトータルサポート。