平成アニメの珍事件←何を思い出す? 「国民的アニメのEDに戦慄」「たった5分間の出来事が…」
「爆発まであと5分」のはずだったのに?
平成の約30年間は、業界が著しく成長し、アニメが市民権を得た時代でもあります。そしてその裏では思いもよらないような珍事件も数多く起こっていました。数百人の子供が病院行きとなった「ポケモンショック」のような深刻な事件もありましたが、今となっては笑い話となっているエピソードも少なくありません。 【画像】「あれが地球だよ、パパ……」こちらが悟空との最終決戦で敗れたフリーザの「その後」の姿です(3枚) 例えば平成のアニメでは、なんとか原作に追いつくまいと涙ぐましい「引き延ばし」がよく行われていました。なかでも有名なのが、アニメ『ドラゴンボールZ』です。悟空とフリーザが戦った「ナメック星編」は、オリジナルエピソードを挿し込めるような舞台設定ではなかったため、もはや力技ともいえる引き延ばし工作が目白押しでした。 なかでも語り草となっているのが、「伝説の5分間」と呼ばれる引き延ばし事件です。第97話において、敵である「フリーザ」はナメック星そのものを攻撃し、爆発させることで悟空を倒そうとします。 その際にフリーザは爆発まで「あと5分」であることを宣告するのですが、実際にナメック星が爆発したのは10話も先、第106話でのことでした。つまり5分間の出来事をあらゆる手段を使って引き延ばし、およそ3か月にもわたって放送し続けていたのです。 お茶の間をざわつかせたという意味では、国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』も負けていません。2002年7月の放送回「まる子、フォークコンサートへ行く」の巻では、シンガーソングライターの山崎ハコさんが本人役でゲスト出演しました。そしてその回では特殊エンディングが採用され、山崎さんの代表曲「呪い」が流されたのです。 「コンコン コンコン 釘をさす……」という不気味な歌詞から始まる同楽曲は、「私」がひたすら藁人形に釘をさすという内容でした。曲が流れている間に映し出された映像も、水たまりや家などの実写素材にモノクロ加工を施した、大変不気味なものです。『ちびまる子ちゃん』らしからぬエンディングを見て、ちょっとしたトラウマになった人も多いのではないでしょうか。 平成はVHS、DVD、Blu-rayと、物理メディアが隆盛を極めた時代でもあります。アニメ『かしまし~ガール・ミーツ・ガール~』は、そうした物理メディアにまつわる伝説的なエピソードを持った作品です。 同作は、宇宙人によって女に性転換されてしまった主人公と、少女たちが織りなす奇妙な三角関係を描いた百合アニメでした。そして最終回にあたる第12話「やがて恋が始まる」は、主人公がヒロインのひとりに想いを伝えようと「あのね……」と話を切り出したところで幕を閉じます。 果たして主人公の恋は成就したのか、それとも振られてしまったのか……。1番気になるところで終わってしまったわけですが、のちに12話の続きはDVD最終巻に収録されることが明らかになり、大きな議論を巻き起こしました。 TVシリーズでは完結させず、DVDやOVAなどの有料コンテンツで最終話を放映する行為は、ファンの間で「あのね商法」と呼ばれており、長いアニメ史にその名を刻むことになります。今になって思えば「あのね商法」事件も、物理メディア全盛の平成だからこそ起きた事件だといえそうですね。
ハララ書房