シャープ パネル事業の黒字めど「断言できない」
シャープは2023年4~9月期の営業損益が58億円の赤字だったと発表しました。前年同期は10億円の黒字でした。赤字の主因となったのは液晶パネル事業です。堺ディスプレイプロダクト(SDP)を含む液晶パネル事業の7~9月期の営業損益は123億円の赤字と、5四半期連続で赤字となりました。 売上高は8%減の1兆1582億円、純利益は48%減の49億円でした。保有株式の一部を譲渡した影響で、特別利益が発生しており、最終損益は黒字を確保しました。 上半期の営業利益をセグメント別でみると、液晶パネル事業以外の部門は黒字を確保しました。構造改革による収益率の改善などの効果が出た形です。 そのため、午後3時30分から、オンラインで開かれた会見では赤字が続く液晶パネル事業について、報道陣やアナリストからの質問が相次ぎました。シャープの沖津雅浩副社長は液晶パネル事業について、「第3四半期は厳しい状況が続いている。黒字化がいつになるかは断言できない」と話しました。 シャープはこれまで、SDPについて中小型パネルの生産比率を高めるとしていましたが、この計画について、第1四半期決算では、見直しに向けた検討をしていると明らかにしていました。きょうの会見でも「SDPの活用については、あらゆる方向性で検討している」と答えるにとどまりました。 液晶パネル事業の苦戦が続く中で、2024年3月期の業績見通しは従来予想を据え置きました。営業利益は400億円の黒字としています。沖津副社長は「各事業部門で販売の拡大や商品開発の前倒しなどに取り組み、400億円の達成を目指したい」と話しました。