伝説の最強のレーシング仕様「RSR」を思わせるクラシック・ポルシェ「911カレラ」のレストモッドとは?
最近の旧車人気の最たるものといえばやっぱり「クラシック・ポルシェ」。ここ15年ぐらいで人気モデルの901型(通称ナロー)はもちろん、不人気だったモデルまで値上がりを続け、そのまま高値安定状態に。程度のよい個体は争奪戦の上、しっかりとレストアされ、さらに高値をつけるという容赦ない資本主義社会の実相を見せてくれている(笑) 【写真】クラシック・ポルシェ「911カレラ」のレストモッドの全体像
なかでも漫画『サーキットの狼』でよく知られた1973年製911カレラ、通称73(ナナサン)カレラの人気は根強く、最強のレーシング仕様RSRともなれば、世界を見渡したって購入はほぼ不可能。生産台数はたった49台なのでもはや金額の問題ではないのだけど、生粋のポルシェ好きなら一度はステアリングを握ってみたいと思うはず。実車は到底無理ゲーにしても、レストモッド(レストアし現代風にモディファイした車両)なら「どうでしょう?」というのが今回のテーマなんだ。 実際、このレストモッドの911が目黒通りに乗りつけられているのを見たときに、瞬時に思ったのは「これ触れていいの?」っていう、握手会に参加したアイドルファンのような心境に他ならなかった(笑)。もはや地上に降りたエンジェルですよ(笑)。外見だけで、ポルシェを表現しきっている。中身が国産の直4だとしても欲しくなるっていうね(笑)
元のクルマ(ドナー)は87年式のポルシェ911カレラ3.2(930型)でRSR仕様のフロントフェイスにダックテール型リアウイング。930型をRSRルックにすることで有名なのは、ドイツのルーフ社が年産1台だけつくるルーフ3.4RSRがある。 撮影車はイギリスの911レンシュポルト社によるもので、排気量もルーフと同様に3400㏄にボアアップし、鍛造軽量ピストンで圧縮比を上げレーシングカムを組み、6基のスロットルボディに換装されている。 乗ってみれば低速域でのトルクが効いていて、街乗りは完ぺき。アクセルは鋭敏で高回転までよく伸びるし、エグゾーストノートも軽快。速度を上げていくとハンドルが軽くなっていくクラシックポルシェらしさも堪能できて、ブレーキも高性能なものに換装されているからガツンと効く。