西川貴教、16回目の『イナズマロック フェス』開催 アンコールでは小室哲哉と「LOVE TRAIN」をプレイ【オフィシャルレポート】
滋賀県出身のアーティストで滋賀ふるさと観光大使である西川貴教が、2024年9月21日・22日の2日間、滋賀県草津市で国内最大級の野外フェス『イナズマロック フェス2024』(※以下『イナズマ』)を開催。アーティスト・パフォーマー合わせて94組が出演、のべ95,000人を動員した。 【全ての画像】『イナズマロック フェス2024』1日目&2日目ライブ写真(全58枚) 今ではすっかり関西の秋の風物詩となったこのイベントは、2008年に観光大使に就任した西川が「音楽を通じて地元にお返しがしたい」として翌2009年に琵琶湖の環境保全と地域振興を目的にスタートさせたもの。アーティストが主催する音楽イベントの先駆けとなり、今年で16回目を迎えた。 今年の「雷神ステージ」には、T.M.Revolution、西川貴教をはじめ、1日目はロバート秋山presents 秋山歌謡祭、-真天地開闢集団-ジグザグ、Fear, and Loathing in Las Vegas、HYDE、ながのーず(長野博+井ノ原快彦)、ももいろクローバーZ、2日目はNiziU、FANTASTICS、ウマ娘 プリティーダービー、Novelbright、宮野真守、NEWS、そしてスペシャルゲストとして小室哲哉が出演した。 またステージ転換の間はパフォーマーによるエンタメタイムになっており、人気芸人がネタを披露して客席を沸かせた。 イナズマのメインはアーティストのライブが行われる有料エリアの「雷神ステージ」ではあるが、会場面積の2/3は誰でも無料で入場できるフリーエリアとなっているのが大きな特徴。このフリーエリアにもアーティストやアイドルのライブが行われる「風神ステージ」、ご当地キャラクターやパフォーマーが出演する「龍神ステージ」というふたつのステージがあり、過去にこのステージに立ったアーティストが数年後に「雷神ステージ」に出演するという登竜門的な役割も果たしている。また、FOOD&DRINKショップゾーンにはイベント限定パッケージの滋賀名物「サラダパン」、毎年味の変わる「イナズマロックカレー」のほか、今年5月に滋賀県草津市でイベント出店を賭けて開催された飲食battleイベント「イナズマフードGPXL2024」の上位28店舗も並んだ。他にも滋賀県観光PRコーナー「おいで~な激賀 体感フェア」や子供連れも安心の広いKIDSエリアがあり、どんな人でも気軽に楽しめるイベントとなっている。 イナズマ1日目は、曇天だが琵琶湖から吹く風が感じられる秋の日となった。地元・近江高等学校吹奏楽部によるファンファーレとともに、三日月大造知事による開会宣言でイベントがスタート。トップバッターとして登場したT.M.Revolutionは、そのまま吹奏楽部と「HOT LIMIT」「WHITE BRETH」をプレイ。かねてより吹奏楽部は同校の応援の際にT.M.Revolutionのナンバーを演奏しており、SNSなどで西川との交流も続いていたが、とうとうイナズマでの共演が実現する形となった。多くのアーティストの目標とされてきたイナズマのステージが、今年は若い夢を後押しして実現させる場ともなった。 西川は「このフェスができているのは、集まってくれた一人一人のおかげ。まさか16回もやることになるとは! みんなと紡いできた関係があって、今日があります」と改めて感謝を伝えた。「INVOKE -インヴォーク-」「ignited -イグナイテッド-」「Meteor -ミーティア-」と、『機動戦士ガンダムSEED』関連ナンバーを立て続けに披露。最後は「夢幻の弧光」「Zips」と、攻め曲で激しいパフォーマンスをみせ、2024年のイナズマを勢いよくスタートさせた。 続いては、ロバート秋山 presents 秋山歌謡祭のステージ。メ~テレで放送された音楽特番「秋山歌謡祭」に今年西川が出演し、「そのお返しに」と西川が秋山にイベント出演をオファーしたもので、これも地域や放送局・系列の枠を超えた夢の実現と言える。瞬時に梅宮辰夫の面をつける「変梅」、オリジナル童謡「山芋のうた」でスタート。さらに、元々ロバート秋山の熱心なファンで、今ではテレビ局員として秋山と番組を制作するまでになった“メモ少年”も登場しての「SAY KOU SHOW」、歌詞と素晴らしい歌声のギャップが激しい「願い」と、バリエーション豊かなナンバーを披露。そして最後は「東京都内の公共施設、都が運営しているのか? 区が運営しているのか?」を歌詞にした「TOKAKUKA」で、西川をステージに呼び込みコラボ。ふたりで息のあったコール・アンド・レスポンスも披露し、笑いながらステージを後にした。 昨年に引き続き2度目の出演となる-真天地開闢集団-ジグザグは、「天 (ama)」「復讐は正義」と独特の世界観たっぷりのハードなナンバーでスタート。かと思えば「これから世界平和を願う歌をやりたいんですけど、悪霊を倒すにはみんなの力が必要。みんなでタオルを回して」と振り付けをレクチャーして、7月に配信リリースされた新曲「JAPPARAPAN ~Japanese Party~」を披露。“寿司が世界を救う”というメッセージが込められた楽曲で、ユニークでかつ自然に会場の雰囲気を一気にまとめてしまうステージングはさすが。毎年全国各地のフェスに呼ばれるのも納得の実力だ。その後も「拙者忍者、猫忍者。」「きちゅねのよめいり (~〆)」などバラエティ豊かなステージを展開して客席を沸かせた。 今年で6回目の出演となるFear, and Loathing in Las Vegasは、イナズマでも進化を見せ続けているアーティスト。今では自分たち主催のフェス「MEGA VEGAS」も開催するなど安定感もある。ライブは「Return to Zero」で始まり、「Virtue and Vice」では会場みんなでタケノコダンス!「最もフィジカルで最もプリミティブで最もハイテンションな曲、やっていいですか?」と「Rave-up Tonight」へ続く。どんなに大きなステージでも客席との距離を感じさせない、どこか人懐っこさのあるパフォーマンスは健在。『超RIZIN.3』ABEMAオリジナルテーマソングとして今年6月リリースの新曲「Fist for the New Era」や「Let Me Hear」、「人生は楽しむためにあるんだから、もっとやらなきゃ損だと思うんで!」と始まった「Party Boys」など、全7曲を披露した。 初登場のHYDEは何メートルもある背の高い演説台に乗って登場すると、1曲目はフェスでももいろクローバーZと一緒になると必ず披露するというももクロの楽曲「ココ☆ナツ」のカバーをプレイ。フェスならではの演出にももクロファンはもちろん、客席が大きく湧く。アクションゲーム「デビル メイ クライ 5」イメージソング「MAD QUALIA」、「DEFEAT」といった自身のナンバーから、L’Arc~en~Ciel「HONEY」のセルフカバーバージョンも披露 しオーディエンスを驚かせる。続く「6or9」では、西川がギター持ってステージに登場。2大ロックスターの共演に、客席は色とりどりのタオルを揚げて盛り上がる。また、西川がHYDEの持つマイクに顔を寄せて歌うとひときわ大きな歓声が上がったり、HYDEが「お誕生日おめでとうございます」と西川に花束を渡してハグする場面もあった。ラストは「GLAMOROUS SKY」のセルフカバー、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了した。 続くながのーずは、イナズマのために結成された⻑野博+井ノ原快彦のスペシャルユニット。20th Centuryの「ツラいチャプター」「Hurry up~今すぐに君の手を~」をはじめ、ふたりのナンバー「夕焼けドロップ」をプレイ。「ふたりだと心細いよなということで、人形作りました」と、坂本昌行に見立てたお手製のマネキンもステージにセットして、3人(?)息のあったパフォーマンスを披露する。そして、この日のために用意した新曲「俺たちの⻑野博」、そしてV6の「愛なんだ」もプレイ。井ノ原が「(坂本くん人形は)全然動かないんだよ。もうひとりいてくれたら心強いんだけどな」と話しはじめると、「ちょっと待った!」と坂本くんのお面をつけた西川が登場! 長野と井ノ原に挟まれてV6の名曲「WAになっておどろう」を歌い踊った。さらに「兄貴があの名曲を一緒に歌いたいって?」という小芝居から「HIGH PRESSURE」へと続き、西川は「来年もまた出てもらえないかな? 坂本くんは来年も舞台が決まってるらしいから、来年もながのーず、再来年はトニセンで!」と公開オファー!最後はながのーずとしてのナンバー「夏のキッカケ」でしめくくった。 1日目の最後は、8回目の登場で3年連続のトリをつとめるももいろクローバーZ。T.M.Revolutionの「HOT LIMIT」の衣装をモチーフにしたドレスで登場すると、「サラバ、愛しき悲しみたちよ」で一気に会場のテンションを上げる。「MOON PRIDE」「ロードショー」や、TVアニメ『転生したらスライムだった件 第3期』オープニング主題歌で8月にリリースされた新曲「レナセールセレナーデ」も披露。「Heroes」「クローバーとダイヤモンド」、そして「走れ! -ZZ ver.-」などをプレイして、元気だけではない強さや美しさも兼ね備えたパフォーマンスでその存在感を見せた。 ライブも終盤に差しかかり、高城れにが「今年のももクロはちょっと違うぞ、というのを見せたい! しっかりと責任持って締めさせていただきたいと思います」と話し始めたと思ったら、おもむろに取り出したのは、両手で抱えられるくらいのミニチュアイナズマステージの中央に西川のフィギュアを設置したもの。流れてきた「HOT LIMIT」にあわせて、高城はフィギュアを動かす。 「れにちゃん、これ違うと思う」「さすがに小すぎませんか」とメンバーから次々にダメ出しを受けるも、高城が「あれしかない、神頼みだ! イナズマに来ているみなさんに最高のステージをお見せください!」と続けると……聞こえてきたのはT.M.Revolution「LEVEL 4」、そして西川がきょとんとした顔でステージに現れた。ところがそこはお互いプロ! 歌い始めると西川は瞬時にミュージシャンの顔になり、ももクロのメンバーもキレッキレのかっこいいダンスを見せた。西川は「お願いだから、僕には(事前に)何やるか教えて!」と苦言を呈しつつ(笑)「来年もやれよ、お前ら!」と、こちらも来年の出演をオファーをして1日目の幕を閉じた。 2日目も、時折雨がぱらりと降る曇天。橋川渉草津市長と草津市公認マスコットキャラクター・たび丸による2日目の開会宣言に続いて、トップバッターは初出演となるNiziU。NiziUバンドの生演奏に乗って白のトップスにデニムパンツで元気よく登場すると、まずは「Make you happy」を披露。大ブームとなった縄跳びダンスや瞬時にフォーメーションが変わる息のあったダンスで、客席からは何度も歓声が上がる。「知ってる方は一緒に歌ってください!」と「SWEET NONFICTION」に続く。今回のライブはNiziUとして初の滋賀県でのステージになるんだそう。メドレー(「All right」「PRISM 」「Boom Boom Boom」「JUMP」)に続いてTVアニメ『神之塔-Tower of God- 王子の帰還』 オープニングテーマで7月にリリースした新曲「RISE UP」、そして「BELIEVE」「Take a picture」と、パワフルなステージで客席を沸かせた。