被災した日本航空石川は2回戦敗退 目標の元日に届かず…上野魁心主将「勇気と感動を与えようと話してきて、それはできた」【高校ラグビー】
◇30日 全国高校ラグビー大会2回戦 日本航空石川5―32国学院久我山(花園) 日本航空石川はBシードの国学院久我山(東京第2)に屈した。元日の能登半島地震で輪島市にある学校が被災。今大会ではちょうど1年後の1月1日に行われる3回戦進出を目指したが、あと一歩届かなかった。 前半6分にラインアウトからつながれて先制トライを許すと、8分後にもラインアウトからモールを押し込まれてトライを奪われた。19分に敵陣ゴール前のラックから、トンガからの留学生ナンバー8、セニセニのトライで反撃したものの、後半も個人技で上回る相手を抑えきれずに3トライを追加された。3週間前に練習試合で対戦した際は2点差敗戦の接戦だったが、本番では力の差を見せつけられた。 震災後は学校を使えず、各地を転々。現在は東京都青梅市にある明星大のキャンパスを拠点にしている。石川県出身のCTB上野魁心主将(3年)は「悔しいけど、震災があって、支えてくれた人たちに勇気と感動を与えようと話してきて、それはできた。1月1日に試合がしたいのが一番だったけど、思いは届いたと思う」と胸を張って答えた。手首のテーピングに「AS ONE 輪島」と記した選手たち。被災地と思いを一つにして、花園で戦い抜いた。
中日スポーツ