世界最高齢男性、112歳で死去 イギリス
世界最高齢の男性としてギネスワールドレコーズ社から認定されていた、イギリス人のジョン・アルフレッド・ティニスウッドさんが25日、死去した。112歳だった。家族が26日、明らかにした。 ティニスウッドさんは、英西部サウスポートの介護施設で亡くなった。 サッカーのイングランド・プレミアリーグのリヴァプールを生涯応援し続けてきたティニスウッドさんは4月、当時の世界最高齢男性だったフアン・ビセンテ・ペレス・モラさん(114)が死去したことを受けて、ギネスワールドレコーズ社から世界最高齢男性と認定された。 ティニスウッドさんの最後の日は「音楽と愛に包まれていた」と、家族は述べた。 タイタニック号沈没事故が起きた1912年に生まれ、2020年にイギリスの最高齢男性となった。 ■「優れた資質がたくさんあった」 ティニスウッドさんは1912年8月26日に母エイダさん、父ジョン・バーナード・ティニスウッドさんの間に生まれた。 すでに亡くなっている妻ブロドウェンさんとの間に娘スーザンさんをもうけ、孫のアヌーシュカさん、マリサさん、トビーさん、ルパートさん、ひ孫のタビサさん、カルムさん、ニーヴさんに恵まれた。 家族は声明で、ティニスウッドさんには「優れた資質がたくさんあった」と語った。 「彼は知的で判断力があり、勇敢で、どんな危機にも冷静で、数学の才能があり、会話上手でした」 第2次世界大戦中には英陸軍の会計部門で会計監査を担ったほか、立ち往生した兵士の居場所を突き止めたり、食料供給の手配するなど、後方支援業務にも携わったという。 妻ブロドウェンさんとはリヴァプールで開かれたダンスパーティーで知り合い、1942年に結婚した。 1943年には娘スーザンさんが誕生した。ブロドウェンさんとは1986年に亡くなるまで44年間連れ添った。 第2次世界大戦後は英郵便事業を運営するロイヤル・メイルに務めた。その後は英石油大手シェルやBPで経理を担い、1972年に退職した。 家族によると、ティニスウッドさんはブランデルサンズ合同改革派教会で年長者としてボランティア活動や説教をするなど、「退職後は活動的な生活」を送っていたという。 ティニスウッドさんは生前、「若い頃はかなり活発」で「よく歩いていた」が、なぜ自分がこれほど長寿に恵まれたのかはわからないとBBCに語っていた。自分はほかの誰とも「違いのない」人間だと強調し、「みんな長生きするか短命かのどちらかで、自分ではほとんどどうすることもできない」とも述べていた。 100歳の誕生日を迎える直前にサウスポートのホリーズ・レスト・ケアホームに移った。ティニスウッドさんの優しさや人生への熱意は、同施設のスタッフや入居者たちにインスピレーションを与えたと、家族は語った。 2012年に100歳を迎えてからは、14歳年下のエリザベス女王や、チャールズ国王からバースデーカードが送られていた。 家族は「近年、ジョンの誕生日にお祝いの言葉を送ってくれたイギリスや世界中の多くの人たちに感謝したい」と述べた。 「彼はこうした誕生日のお祝いやそのほかの応援メッセージに本当に感謝していました」 「ジョンはいつも、あなた方にありがとうと伝えたがっていました。ですので彼に代わって、長年にわたり彼のケアに携わってくれたホリーズ・ケアホームの介護者や一般開業医(GP)、地区看護師、作業療法士、そのほかの国民保健サービス(NHS)スタッフを含むすべての人に感謝します」 家族はティニスウッドさんをしのんでの寄付について、高齢者支援の「エイジUK」や、そのほかの慈善団体に贈って欲しいとしている。 史上最も長生きした男性としてギネス世界記録に認定されているのは、2013年に116歳54日で死去した日本の木村次郎右衛門さん。 現時点での世界最高齢の女性は、116歳の日本の糸岡富子さん。 (英語記事 World's oldest man dies aged 112)
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