ホリエモンのサッカー界改革提言!「Jの外国人枠を撤廃せよ」
11シーズン振りに2ステージ制を復活させるなど、閉塞感が漂う現状の打破を目指しているJリーグ。改革のメスはピッチの外にも入れられている。8月1日付で就任した、Jリーグ史上初となるアドバイザーがそれだ。サッカー以外の分野から招聘された5人のなかには、実業家で、元ライブドア社長の堀江貴文氏(現SNS株式会社オーナー兼従業員)も含まれている。 Jリーグの村井満チェアマンは、かつて「時代の寵児」と呼ばれ、ずば抜けた情報発信力と行動力をもつ堀江氏をアドバイザーに起用した理由をこう説明する。 「フラットに発信される方。厳しい指摘を受けるかもしれないが、プラスになると思っています」 期待されるのは企業経営で培われた知見と、サッカー界の常識にとらわれないアイデアだ。 Jリーグとの距離感は、「ひいきのチームはないです。Jリーグの試合も見にいくし、代表の試合も見に行くし、元Jリーガーの友人も多い。興味はそれなりですね」というものだった堀江氏の目には、急速にグローバル化が進む世界のサッカー界のなかで、Jリーグを取り巻く現状、そして未来を変えるための処方箋がどのように映っているのか。話を聞いた。 ――サッカー界の外にいる堀江さんから見て、Jリーグというものはどう映っていますか。 「そもそもJクラブには投資対象としての魅力がありません。現在、外資に関してのハードルは高くないし、むしろ低くなりました。実質的に100%開放しているのと同じです。実際、シティ・フットボール・グループが横浜F・マリノスに約20%出資しています。外資に関しては、もう規制はありません。それでも続く投資事例が出てこないのは、単純にJリーグがアピールされていない、Jリーグが知られていないだけなんです。そこにはいろいろな問題がありますが、たとえば世界的に見て有力な選手が少ない。中国やタイの大富豪や大企業が出資しようとしても、自分の国の選手がいない。現実問題として、中国代表やタイ代表が日本にきても、J2でもまず試合に出られません。これはどうにもならない問題だし、だとするならば純粋にキャピタルゲインが得られる案件にしか投資しない、となる。その意味で言うと、観客動員が見込める魅力的な場所が存在していない。たとえば東京の都心にJのクラブがありますか」 ――FC東京と東京ヴェルディのホームである味の素スタジアムも、東京都下の調布市です。 「東京23区ではなくて郊外ですよね。あんなところまで行くのは大変なわけですよ。野球ならば東京ドームや神宮球場があるのに、そのような場所にスタジアムがない。しかも、日本の場合は公園法の規制などもあって、ヨーロッパのクラブでは見られるショッピングセンターやフィットネスジムといった商業施設と併設されているスタジアムもないわけです」 ――試合開催時以外は、ほとんど閑散としています。 「だから行きづらいし、集客も見込めない。そういった問題点を是正するには、たとえばJ1のなかにプレミアリーグのようなリーグを新たに作り、そこに加盟するためにはショッピングセンターなどを併設したサッカー専用スタジアムを街中にもたなければいけない、といったレギュレーションを作るわけです」 ――J1をさらに少数精鋭化していくということですか。 「少数化してもいいし、あるいはJ1のクラブは2年、あるいは3年以内にそういうのを作り始めなきゃいけないとか、そうしなければJ1にいられないとするのもいい。そうしたレギュレーションを作り、投資がしやすい環境を整えなければいけないでしょう」 ――プレミアリーグのチェルシーに、今シーズンから横浜ゴムが巨大な投資をしています。外資系企業だけでなく日本企業も、Jクラブは投資の対象にならないと考えているのでしょうか。 「おそらくですが、Jクラブにキャピタルゲインを狙って投資をしている企業はゼロだと思いますよ。対照的にアメリカのメジャー・リーグ・サッカーの場合は、フランチャイズのオーナーは儲かると思って投資しています。そこが大きな差ですよね」