ホリエモンのサッカー界改革提言!「Jの外国人枠を撤廃せよ」
――今夏に武藤嘉紀がFC東京からドイツに移籍しました。日本代表に名前を連ねる選手がどんどん海外に移籍している状況も、Jリーグの国際マーケットでの市場価値を下げていますか? 「選手の移籍市場は完全に市場原理で動いていますから、単純にお金をかけていい選手を取ればいいだけの話です。鶏が先か、卵が先かの話。だからこそ、そういう(投資がしたくなるような)枠組みをとにかくJリーグがリーグとしてアピールしていかなきゃいけないわけですよ。要は10年後のビジョンを打ち出す。別に10年後でなくてもいいんだけど、将来はこうなりたい、たとえばアジアにおけるプレミアリーグになりたいというビジョンですね。そうなるためにはいろいろな方法がありますが、プレミアリーグの場合はフーリガン問題や経済の停滞もあって、瀕死の状態にあったイングランド1部リーグを建て直さなきゃいけない状況で、ちょうど衛星放送事業を立ち上げて、視聴者を獲得したいルパード・マードックとスカイ・テレビジョンが巨額の放映権料、つまりお金をかけて買ったわけです。そのお金が、各チームに分配されて、選手の獲得資金になりました」 ――同じ流れをJリーグでも生み出せるということですね。 「スカパー!に地上波などを含めたJリーグの放映権料が、年間で50億円くらいだとします。あくまでも僕のアイデアですけど、たとえばニコニコ動画や、あるいは、これからインターネットの動画配信に投資をしていこうというネットフリックスといった企業に、Jリーグの映像を独占できるような契約を年間200億円で10年契約を結ぶ。合計で2000億円。これをJの強いクラブから傾斜配分していって、選手獲得資金に充ててもらう。 各チームが強化されてリーグが盛り上がり、日本だけじゃなくてアジア各国にも放映権が高く売れるようになれば、200億円だった放映権料の価値が1000億円になっているかもしれないじゃないですか。そうなると、5年目くらいから儲かってくるだろうし、投資対象として十分に成り立つと考える動画配信企業が出てくるかもしれないわけです」 ――その意味では、去年セレッソ大阪が、ディエゴ・フォルランを獲得したのは、チームの価値を上げるための投資という観点では正しい選択だったのかもしれませんね。 「外国人選手の獲得という意味では、フォルラン一発で終わったらダメなんです。外国人枠というものは、要は関税だと僕は考えています。自国の産業が発展していないときに高い関税をかけて外国製品を輸入しないのと同じ考え方で、自国の選手が育っていないときに外国人選手を制限して育成する。日本はサッカー先進国になったし、代表チームもそれなりに強くなっているので、外国人枠はもう必要ないと僕は思うんですよ。 先ほども言ったように、アジアの選手は獲得に値しないかもしれない。それでも、中南米やヨーロッパの選手でも、割とリーズナブルに獲得できる選手は大勢いると思うんですね。自分の国の選手が日本へ行くと、Jリーグをそれなりに見るようになる。これは、ヨーロッパのクラブがすでにやっていることです。なぜ日本人選手を獲得しているのかと言えば、純粋に実力だけではなく、半分は日本に放映権料を売るというビジネスも絡んでいるわけですから」