【MotoGP】ヤマハへのスイッチは無い? VR46、来季以降もドゥカティ使用を希望……野望は最新型バイク獲得
MotoGPの最高峰クラスに参戦するVR46は、2025年以降に使用するマシンについて、引き続きドゥカティ・デスモセディチGPを希望しており、さらにファクトリースペック入手に向けて動いている。 【リザルト】MotoGP第3戦アメリカズGP スプリントレース結果 MotoGP界のレジェンドライダーであるバレンティーノ・ロッシがオーナーを務めるVR46チーム。ドゥカティと提携して2022年に最高峰クラスへ進出したが、来年以降どのメーカーのマシンを使用するかが注目されている。 契約では2025~2026年の更新オプションがあるが、VR46は型落ちのマシンで妥協する必要があると見られている。 そして、VR46は他メーカーへ乗り換える可能性も指摘されてきた。特にロッシとの長年の付き合いからヤマハのサテライトチームになるのではないかという考えは根強いものだ。 しかしここ数週間で、ヤマハと提携を結ぶ可能性は少なくなりつつある。VR46はドゥカティとの提携を継続する見込みで、早ければアメリカズGPで発表が行なわれるという見方もある。 ヤマハへのスイッチが実現しない原因は、やはりマシンの競争力だ。VR46チームの代表であるアレッシオ・サルッチは、motorsport.comに対して次のように語った。 「ヤマハは我々にとっての第二の故郷だ。しかしまず、我々が提供して欲しいのは競争力のあるバイクなんだ。ドゥカティは素晴らしいバイクで、そのパフォーマンスも非常に高い。パートナーのおかげであり、(マシンを)変更するのは簡単なことではない」 ヤマハは、2022年限りでサテライトチームだったSRT(現在のトラックハウス)が陣営を離れてしまったため、新たなパートナーを探してきた。 しかしサルッチ代表の示唆するように、ヤマハは競争力という面では明らかにドゥカティに劣っている。マシンパフォーマンスが劣っている中、ヤマハがとれる最善の方策はサテライトチームへの財政面を含めたサポートの提供だったはずだが、すでにドゥカティのマシンで勝利も挙げているVR46にとっては、十分に魅力的なモノにはならなかったと思われる。 なおVR46は今シーズンから、インドネシアの国営エネルギー企業のプルタミナをスポンサーに迎えた。そして、彼らはそうした資金も背景に2025年にファクトリースペックのマシンを確保するシナリオを描いている。 ただドゥカティは2025年に用意するファクトリーマシンを4台(ファクトリーチームとプラマック)としているため、VR46がそれを確保するためには、プラマック側が1台を自発的に型落ちマシンとする必要がある。 そのためVR46の目論見通りに進む可能性は低いように見えるが、サルッチ代表は諦めていない。 「プラマックはドゥカティのリファレンスとなるサテライトチームだ。VR46はそういった地位は求めてはいない。我々が望んでいるのは、成長し、そして来年ファクトリーバイクを手にすることだ」
Oriol Puigdemont