電気いじりの必需品!! ワイヤーストリッパーの種類と使いこなし術
配線の先端だけなく中間を剥けるストリッパーもある
最後に紹介するのは、配線の先端にある被覆だけでなく、中間の被覆も剥くことができるストリッパーです。 被覆を剥く動作は2番目の製品と同様に掴んで引き剥がすものですが、押さえ刃と掴み刃がカニの爪のようなアクションで作動します。またこの構造により、配線の先端だけでなく中間部分を爪の間に配置できるため、既存配線の途中に新規配線を割り込ませる際に、既存配線を切断することなく被覆を剥くことができます。 ただ中間部分の被覆剥きは作業では、被覆を切断して除去しているわけではありません。被覆の一方を押さえ刃で固定しておき、掴み刃でギューッと引っ張って芯線を露出させた際の被覆は、長袖Tシャツの袖をまくる時のようにシワが寄った状態になっています。芯線と被覆の滑りが良い場合はスムーズに剥けますが、配線の種類によってはグリップを強く握って掴み刃のストロークを充分に取っても剥き取りが期待したほど多くならないこともあります。 なお今回紹介した三種類の製品は、いずれもストリップゲージが備わっています。ストリップゲージがあることで、複数の配線を連続的に作業を行う際の被覆剥き量を揃えることができ、DIYで延長ハーネスを製作する際のクオリティ向上に役立ちます。 電気いじりで使用するワイヤーストリッパーの出番は、バイクいじりで使用するドライバーやメガネレンチに比べて遥かに少ないのは確かです。 被覆剥き作業を皮剥き機能のないニッパーやカッターナイフでしかやったことがなければ、ワイヤーストリッパーの機能や利点もピンとこないかもしれません。しかし冒頭でふれたとおり、芯線を切断したり傷つける被覆剥きは百害あって一利なしの避けるべき行為であることは間違いありません。 ハンダづけやカシメなどの結線作業の確実に行うためにも、ワイヤーストリッパーの活用をお勧めします。 ────────── ■POINT ポイント1・配線の被覆を剥く際は芯線の切断や傷つけないよう注意が必要 ポイント2・ワイヤーストリッパーには刃物で被覆を切断するタイプと被覆を引っ張って切断するタイプがある ポイント3・配線の割り込ませに便利な中間部分の被覆剥きが可能なワイヤーストリッパーもある ──────────
栗田晃