アロコスの地下には一酸化炭素が滞留している? 非常に原始的な天体の証明
■注釈
※1…元の論文では、アロコスなどのような天体を「カイパーベルト天体(KBO)」と表現していますが、この呼称には論争があります。本記事ではより論争が少ない「太陽系外縁天体」の表現を使用します。 ※2…今回の研究のように、ほとんど真空の環境での揮発性物質の相転移は、固体から気体へ、気体から固体へと直接変化します。固体から気体の相転移を「昇華」、気体から固体への相転移を「凝華」と呼び、厳密にはこれで表現するのが正しいのですが、本記事では分かりやすさを優先しており、使用していません。 ※3…今回の研究でモデル化された天体内部では、一酸化炭素の気化(昇華)と固化(凝華)がほぼ同じスピードで起こっているため、見た目の上では一酸化炭素の気化が抑えられている状態となっています。本来はこの「平衡状態」で表現するのが正しいのですが、本記事では分かりやすさを優先しており、使用していません。 Source Samuel P. D. Birch & Orkan M. Umurhan. “Retention of CO ice and gas within 486958 Arrokoth”. (Icarus) Rebecca McDonald. “Study Reveals Ancient Ice May Still Exist in Distant Space Objects”. (SETI Institute)
彩恵りり