新種の宝庫・鹿児島湾で練習船が100メートルの海底から採取したのは…体長7ミリ、雄の脚の毛が決め手 命名「ナンセイソコエビ」、鹿大グループが英文学術誌で発表
鹿児島大水産学部の小玉将史助教(31)=海洋生態学=らの研究グループは、鹿児島湾の海底から新種のヨコエビを発見したと発表した。鹿大の練習船「南星丸」にちなみ、和名を「ナンセイソコエビ」とした。8月末、日本ベントス学会と日本プランクトン学会が合同出版する英文学術誌に掲載された。 【写真】新種と判明したナンセイソコエビの雄(A)と雌(B)=日本ベントス学会提供
2023年2月に南星丸で実習中、鹿児島湾入り口の山川沖で、水深約100メートルの海底から複数個体を採集した。形態や遺伝子を詳しく調べたところ、クダオソコエビ科のソコエビモドキ属の新種だと分かった。体長7ミリ前後で、雄の脚の一部に複数のとげ状の毛を備える特徴が、いずれの種にも該当しないという。 鹿児島湾はさまざまな調査が進む海域だが、未知の種はまだ多く生息すると考えられ、特に小型の無脊椎動物の研究が不足しているという。 小玉助教は「環境調査を進める上で、鹿児島湾周辺を柔軟に調査できる南星丸の存在は欠かせない。この強みを生かして精力的に調査を続けたい」と意欲を見せた。
南日本新聞 | 鹿児島