<ここに注目>得点力重視の鳥取城北、三島南・植松がどう抑える 選抜高校野球
鳥取城北・畑中未来翔主将の話
(対戦相手の三島南は)投打にバランスの取れたチームだと思う。自分たちはまだまだなので、走攻守すべてにおいて強化したい。目標は日本一。最善を尽くしたい。
2012年にセンバツ初出場 オリックスの能見篤史ら輩出
鳥取城北 1963年開校の私立校で、校訓は「質実剛毅(ごうき)」。知・徳・体の調和がとれた教育を掲げ、明朗闊達(かったつ)で進取の気性に富んだ人材の育成を目指している。 野球部は69年創部で、センバツは2012年に初出場。夏は5回出場しており、12年に1勝を挙げた。主なOBに広島などで投手として活躍した川口和久、オリックスの能見篤史ら。 他の運動部や文化部も活動が盛んで、特に相撲部は名門として知られる。卒業生に照ノ富士や、石浦外喜義(ときよし)校長の長男の石浦ら。
「甲子園は楽しい舞台」OBの鳥飼力斗さん
2012年の春夏に控え捕手、13年夏は捕手・主将として甲子園に出場しました。卒業後は大阪ガスでプレーしています。 高校の練習は厳しかったですが、くらいついていく姿勢や、声を出して他の選手と対話する能力は、年上の選手が多かった社会人野球でプレーする土台になりました。 鳥取城北野球部の活躍は私の活力となり、「自分も都市対抗や日本選手権に絶対に出て、後輩を刺激しよう」と思わせてくれます。甲子園では緊張すると思いますが、楽しい舞台でもあるので、心の準備をして落ち着いて臨んでほしいです。
三島南・エース植松 多彩な変化球と緩急で勝負
2020年秋の静岡大会準々決勝で甲子園常連校の静岡を3―1で破るなど、バッテリーを中心とした粘り強い野球が持ち味だ。創部100年にして初の甲子園出場を決め、主将の伊藤侍玄(3年)は「臆することなく、100%の力を出し切りたい」と意気込む。 20年秋の公式戦全9試合に登板したエース右腕・植松麟之介(2年)は直球こそ最速130キロほどだが、約30キロの球速差があるカーブにスライダーやチェンジアップと多彩な変化球を操り、緩急で打ち取る。後ろには、新チーム発足時から「二刀流」に挑戦し、わずか1カ月で最速139キロをマークした外野手の前田銀治(3年)らが控える。 攻撃の中心となるのは、1番・斎藤崇晃(同)、3番・前田、4番・小堂湧貴(同)の上位打線。いずれも長打力があり、アウトカウントや走者の状況に応じてゴロに飛球、左右と打ち分けられるバットコントロールも備える。チーム打率は2割5分4厘と物足りないが、下位に走力のある選手を置くなど攻撃の幅を広げる打順を試行錯誤し、初の聖地に乗り込む。【森野俊】