専門家に聞いてみた…長引く避難生活 “避難所”に“自家用車内”での注意点は
地域防災の専門家である金沢大学の青木賢人准教授にお話を伺います。この先、被災地にとって必要となってくる防災対策について伺いました。 【写真を見る】専門家に聞いてみた…長引く避難生活 “避難所”に“自家用車内”での注意点は 青木准教授によりますと、被災地でいま最も懸念しているのが低体温症への対策です。 低体温症とは、脳や内臓など身体の内部の温度が下がってしまう事をいいます。深部の体温が35度以下になると、激しい震えや、判断力の低下といった症状があらわれ、最悪の場合死に至ることもあるんです。対策としては… (1)「防寒着」・重ね着をする・防寒着の中に雨がっぱを着る (2)「新聞紙の活用」・腹巻・袋に入れてその中に足を入れる (3)「段ボールの活用」・床に敷いて簡易ベッドに (4)「カイロの有効利用」・ある程度体が温まったら、熱がまだ残った状態で密封ポリ袋に入れる事で一時的に熱の放出を止めることができる 被災した方々は避難所、自宅、車の中など様々な場所で生活を送っています。この先、被災地で生活していく上で注意すべきことを伺いました。 ■避難所での注意点 避難所ではいま、3つの感染症が流行しています。新型コロナウイルス、ノロウイルスそれから、インフルエンザです。これらの感染症への対策が必要となります。支援物資やインフラの状況にもよりますが、「食事やトイレの際の手洗い」、「マスクの着用」、「袋入りの食べ物は手で触らずに食べる」ことをおすすめします。 集団で生活することによって、プライバシーの問題への対策も必要となります。仮設テントがあればベストですが・なければ段ボールを活用し簡易パーティションにする・育児など女性ならではのニーズに配慮した避難所運営をしてください。 避難所生活が長期化してくると、避難している人たちのストレスもだんだんと高まってきますので、ホワイトボードを使って情報共有をしたり、女性の声を拾えるような体制をととのえることが重要です。 ■車中泊での注意点 車中泊では、長時間動かないことで、血管の病気を引き起こしてしまうエコノミークラス症候群への対策が大事です。1時間に1回を目安に細めに体を動かすこと。それから水分を十分にとること。寝るときは下に物を置くなどして足を上げるのも効果的です。