「マジ焦ったっす」阿部一二三が金メダルを前に“棄権の危機”を振り返る 準々決勝で2度の流血
2大会連覇を果たした阿部一二三選手が、“棄権の危機”の舞台裏を明かしました。 柔道男子66キロ級の準々決勝に臨んだ阿部選手は、試合中に相手の膝を鼻に強く受け、鼻血を出してしまいます。鼻に綿を詰める処置をして試合を再開するも、相手選手の手が顔面に当たり再び出血。審判から指示を受け2度目の治療に入ります。 国際柔道連盟の規定では、試合中の出血を伴う同じ部位の負傷は、医師による手当てを“2回”まで受けることができると決まっており、同じ部位で3回目の出血をした時点で、相手に「棄権勝ち」の判定が下される場合があります。 2度目の治療を受けた阿部選手は、“再び流血すれば棄権”という絶体絶命のピンチの中、試合再開後わずか13秒で大内刈りを決め勝利しました。 このときの思いを聞かれた阿部選手は「マジ焦ったっす」と振り返ると「鼻血が止まってなかったので、投げにいくしかない」という思いで畳に上がったことを明かしました。 1度目の治療でも鼻血は止まっていなかったと明かした阿部選手。2度目の治療では小さな綿を鼻の奥まで詰め込んでいました。試合中には鼻の状態は気にならなかったとのことですが、鼻の奥まで詰め込まれた綿は、ピンセットを奥まで入れなければ取れない位置にまで及んでいました。