福永師「ふさわしい馬」コントレイルがJRA顕彰馬に選出 1票届かなかった昨年の“リベンジ”
2頭の名馬に新たな勲章が贈られた。中央競馬の発展に特に貢献があった馬をたたえる顕彰馬の24年度記者投票結果が発表され、無敗の3冠馬コントレイル(牡7)と、04年のダービー馬キングカメハメハが史上36、37頭目の顕彰馬に選定された。コントレイルは選定対象2年目での選出。キングカメハメハは残り2年で待望の選出となった。 【一覧】顕彰馬の24年度記者投票結果 無敗の3冠馬コントレイルが、選定対象2年目にしてJRA顕彰馬の称号を手にした。有効投票数176票中、対象馬最多の152票を獲得。わずか1票だけ足りなかった昨年の“リベンジ”を果たし、得票率86・4%で堂々の戴冠となった。現役時代に主戦騎手を務めた福永祐一調教師は「(顕彰馬に)ふさわしい馬ですし、大変栄誉なことだと思います。そんな馬の鞍上を務めることができて、とても幸せで、光栄です」と話した。 現役時代はファンを魅了する走りを見せ続けた。3歳時にはシンボリルドルフ、ディープインパクトに次ぐ史上3頭目となる無敗でのクラシック3冠を達成。その菊花賞制覇の後、まさかの3連敗を喫したが、ラストランとなった21年ジャパンCで劇的な勝利を収め、G1・5勝目を挙げた。 当時、そのラストランに際し、数々の名馬の背を知る福永師もコントレイルへの特別な思いを語っていた。「日本競馬の集大成みたいな馬です。ずっと順調にいったわけではなく、脚元の不安もあった馬。ノースヒルズ、矢作厩舎と三位一体になって、やれたことが無敗の3冠につながったと思いますし、それに応えた馬も立派でした。僕にとって特別な馬です」。その特別な馬に、また新たな勲章が加わった。 現役引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入り。産駒たちは来年にデビューを迎える。「セカンドキャリアでも競馬史に名を残すような活躍を期待しております」と福永師。コントレイルがつむぐ夢の続きは、その子どもたちに引き継がれていく。【藤本真育】 ◆コントレイル▽父 ディープインパクト▽母 ロードクロサイト(アンブライドルズソング)▽馬主 前田晋二▽調教師 矢作芳人(栗東)▽生産者 株式会社ノースヒルズ▽戦績 11戦8勝▽総獲得賞金 11億9529万4000円▽主な勝ち鞍 19年東スポ杯2歳S(G3)ホープフルS(G1)20年皐月賞(G1)ダービー(G1)神戸新聞杯(G2)菊花賞(G1)21年ジャパンC(G1)▽馬名の由来 飛行機雲 ◆選定基準 中央競馬の競走馬登録を受けていた馬で、<1>競走成績が特に優秀であると認められる馬、<2>競走成績が優秀であって種牡馬または繁殖牝馬としてその産駒の競走成績が特に優秀であると認められる馬、<3>その他中央競馬の発展に特に貢献があったと認められる馬。報道関係者による記名投票(最大4頭)で、投票者数(今年は176人)の4分の3以上(同132票以上)の票を得た馬が選定される。今年は03年4月1日から23年3月31日の間に競走馬登録を抹消された馬が対象で、現役馬および競走馬登録抹消1年未満の馬は選考対象外。