<25年展望>尹大統領の弾劾審判 年初から本格化=4月ごろ結論か
【ソウル聯合ニュース】韓国の2025年は、「非常戒厳」宣言がもたらした尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾審判とともに幕を開けた。 1月から本格的な弁論が始まり、憲法裁判所は遅くとも夏までに尹大統領を罷免するか弾劾訴追を棄却するかについて結論を下す見通しだ。 ◇尹大統領の弾劾訴追 妥当性めぐり激論予想 尹大統領の弾劾訴追案は、先月14日の国会本会議で野党主導で可決された。 弾劾訴追案は、非常戒厳の宣言、維持、解除の過程において尹大統領を罷免するに値する重大な憲法・法律違反があったとしている。 具体的には、今回の非常戒厳が「戦時・事変またはこれに準ずる国家非常事態」という宣言の要件に合致せず、「布告令第1号」で国会の政治活動を制限したことも違憲とした。戒厳司令官の管轄外である国会と中央選挙管理委員会に武装した兵士を乱入させたこと、政治家などを現行犯逮捕しようとしたことも弾劾の理由に含まれた。 一方、尹大統領は戒厳を「野党の暴走に対抗するためのやむを得ない警告措置」であり、大統領の「統治行為」と主張。戒厳宣言は司法審査の対象ではないとの立場も示した。 双方が鋭く対立しているだけに、憲法裁の審判では激論が繰り広げられる見通しだ。憲法裁は両者の主張と証拠を基に事実関係を確定した後、尹大統領の憲法・法律違反行為の具体的な内容を判断することになる。 非常戒厳の宣言と布告令第1号の発令、国会・選管委への武装兵士の投入や政治家の逮捕計画などが尹大統領が直接指示して行われたのか、その過程と結果が憲法と法律に違反しているかが一次的な判断内容だ。戒厳の名分となった「不正選挙疑惑」の信ぴょう性と、これを理由に戒厳を宣言することが妥当かどうかも憲法裁の審理対象になる可能性がある。 その後、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾審判で確立した「重大性」の要件を満たすかどうかを審査する。尹大統領が憲法と法律に違反した程度が重大であり、国民の信任を裏切ったと判断できるか、憲法秩序を守るために弾劾が必要かを問うものだ。 弾劾対象者に下される憲法的懲罰である「罷免」の決定が「法益権衡の原則」に合致するかも判断要素となる。憲法裁は、罷免を決定するためには大統領の過失が重大であり、罷免によって得られる利益が罷免しないことで発生する国家的損失を圧倒するほど大きくなければならないとしている。 ◇弁論は毎週開催 4月ごろに結論か 憲法裁判所法により、憲法裁は180日以内に審判結果を宣告しなければならない。尹大統領の弾劾訴追議決書が先月14日に憲法裁に提出されたため、6月12日が期限となる。期間を過ぎて宣告しても問題はないが、実際の審理期間はそれより短くなるとみられる。 憲法裁は、大統領の弾劾による国政の空白で混乱が続いていることから、可能な限り迅速に結論を下す方針だ。法曹界は、文炯培(ムン・ヒョンベ)憲法裁判所長権限代行と李美善(イ・ミソン)裁判官が退任する4月18日までには結論が出ると見込んでいる。 過去の弾劾審理では結論が出るまでに盧武鉉元大統領が63日、朴槿恵元大統領は91日かかった。 憲法裁は、9年前に開かれた朴元大統領の弾劾審判を踏まえて今後の弁論計画を立てると予想される。朴元大統領の弾劾審判は準備手続きが3回、正式弁論が17回開かれ、25人の証人に尋問が行われた。週2~3回の弁論は夕刻まで長時間続いた。 今回の事件でも双方が鋭く対立していることから、戒厳に関与した元軍人や現役軍人、警察官など多数の証人が審判に出席する見通しだ。
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