<ミックスゾーン>センバツ 鳥取城北 山陰に春呼ぶ初勝利
1勝する難しさを痛感していた甲子園で、センバツ初勝利を挙げた。19日に開幕した第93回大会1回戦で、鳥取城北が21世紀枠の三島南(静岡)に6―2で逆転勝ち。山木博之監督=写真=は「簡単には勝てない場所。かみ締めながら校歌を聞いた」としみじみと語った。 甲子園では春夏通算3回目の出場だった2012年夏に初勝利を挙げた後、5連敗。直近の2試合はサヨナラ負けを喫していた。18年夏に龍谷大平安(京都)に2―3、昨夏の交流試合は明徳義塾(高知)に5―6で涙をのんだ。 都道府県別で見ると、春の鳥取県勢としては08年の八頭以来13年ぶりの勝利。00年を最後に白星がない佐賀県に続き、長野県と並んでいた2番目に長いトンネルを抜けた。 同じ山陰の島根県も春は09年以来、勝利から遠ざかる。「鳥取、島根に当たったら『ラッキー』」。09年から母校を率いる山木監督はそんなイメージを何とか打破しようともがいてきた。鳥取は人口が全国最少で、島根は2番目に少ない。北海道や東北に劣らず、山陰も冬場の降雨、降雪が多く、練習環境のハンディもある。 それでも山木監督は「小さくても野球王国と呼ばれる高知県のようになりたい」と、掲げるのは日本一だ。記者生活を鳥取でスタートさせた私も、山陰勢による初の甲子園制覇をいつかこの目で見届けたいと願っている。【田中将隆】 ……………………………………………………………………………………………………… *「ミックスゾーン」とは、記者が競技後の選手に取材する場所のこと