上司が毎日3回以上「タバコ」を吸うために離席します。正直「サボりでは?」と感じますし、ニオイも気になります。私はタバコを吸わないのに「不公平」ではありませんか?
上司や同僚がタバコを吸うために頻繁に席を離れると、非喫煙者からすると「仕事をサボっているのでは?」「タバコの時間にも給料が出ているの?」と感じて不満を抱く可能性があります。 本記事では、タバコを吸う時間が労働時間にあたるのか、非喫煙者との不公平感を解消するにはどうすべきかについて解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
タバコを吸うための時間は労働時間になるのか?
労働基準法では「使用者の指揮命令下に置かれている時間」を労働時間と規定しています。これは、現場で直接命令を受けている状況だけでなく、離れた場所にいても、いつでも呼び出されればすぐに業務に復帰できる状態であれば該当する可能性があります。 具体的な例を挙げると、以下のようなケースが労働時間とみなされる可能性が高いでしょう。 ●喫煙場所が休憩室など職場内にあり、呼び出されればすぐに戻って業務に就ける ●喫煙所が離れていても、携帯電話等で上司から業務の指示や質問に応答できる状態にある このような状態は、いつでも業務に戻れる準備ができており、私的な時間とはいえないからです。 しかし、非喫煙者から見れば、喫煙者がタバコを吸っている間も自分は業務をしており、業務が重なった場合などは、喫煙者の分まで仕事を引き受けざるを得ず、不公平感を抱く人もいるでしょう。 ■タバコ喫煙を不満に思う理由 民間のタバコに関する調査においては、「同じ部署で働いている喫煙者のタバコ喫煙を不快に思うか」という質問に対し、約60%の人が「そう思う」と回答しています。 その理由としては、タバコの匂いに関する不快感、相談したいときにタバコ喫煙により不在で業務が滞る、などの声があるようです。 ■タバコ喫煙が労働時間とならないケース 業務中のタバコ喫煙が、労働時間とみなされなかった裁判例もあります(泉レストラン事件、平成26年)。この例では、原告は昼休憩の時間以外に1日に4~5回タバコを吸いに職場を離れており、喫煙所から職場に戻るまでには10分ほどかかることから、業務から解放されていると判断されました。