80代母親が老後を託した息子が「急死」…そのとき、息子の嫁がとった「予想外の行動」
悲しくとも、避けられない親の死……残されたものが考えなければいけないのが相続の問題です。 【マンガ】夫の死後、5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からのお知らせ 相続トラブルを生まないためには、親の生前にしっかりと準備をしておくことが重要です。相続対策のサポートを専門とする会社・夢相続の曽根恵子さんが、2人兄妹の妹であるTさんのケースから、相続に関する疑問を紐解いていきます。
実家が等価交換でビルになった
Tさんの母親は、兄とTさんの2人の子どもを育てながら美容院を経営して来られました。父親はTさんが中学生の頃に亡くなってしまい、その後、母親は懸命に美容院で働く日々だったと言います。 その美容院は、父親が健在の頃、土地を借りて建てており、1階が母親の美容院、2階が家族の住まいという店舗併用住宅でした。店舗は最寄駅から5分のところにあり、幹線道路に面していました。人通りも多く、美容院も繁盛していたといいます。 立地がいいだけに建築会社から店舗併用ビルの計画が持ち上がり、店舗と住居で100世帯以上の分譲マンションを建てると計画でした。 母親の場合、土地は借りていますが、借地権を持つ立場です。1階の店舗はできなくなるが、等価交換により、住まいのフロアに3つの1ルームの部屋を所有権としてもらえる話でした。美容院の店舗は他で借りるようにして、母親は1部屋を自宅として住み、残りの2部屋を貸して家賃を得るようになりました。30年前のことだと言います。
兄の突然の死
母親の自宅が等価交換でマンションになったころ、兄とTさんはすでに二人とも結婚して、実家を離れて別のところで生活をしていました。 母親はずっと1人暮らしでしたが、兄は長男として母親の近くに住み、跡取りということで、将来は母親の面倒を看ることが家族の暗黙の了解でした。 けれども、そんな兄は40代で急死してしまったのです。当時、80代だった母親の落胆は言うまでもありません。さらに母親を落胆させたのは、兄嫁の言動でした。兄嫁は「子どもたちの教育のためにハワイに移住するので、姑の面倒は見るつもりはない」と言い、ほんとうに2人の子どもをつれてハワイへ移住してしまったのでした。