「何をしているんだ?」愛用のバイオリンを荷物棚から... 新幹線で置き引き未遂、音楽家がXで注意喚起
「盗難被害に遭われた際には、まずは警察にご相談ください」
置き引き未遂のような体験について、有賀さんは12月27日、1つ席を挟んで窓側に座っていたこの男は、特に目立つような行動はなかったと取材に明かした。 男は、有賀さんが話しかけた英語を理解していた可能性があったという。謝罪のジェスチャーだけで、声は出さなかった。 有賀さんは、楽器などを守ることに手一杯で、他の客に危害が及ぶ可能性もあったため、男を取り押さえることは見送った。その後、JR東海に連絡し、乗った新幹線や男の特徴などの情報を伝えた。JRでは、その内容を確認したうえで、各所への連絡や対応をすると有賀さんに約束したという。 男に楽器を持っていかれそうになったことについて、有賀さんは、今後警察の窓口で相談したい考えも明かした。 荷物棚の置き引き被害について、JR東海の東京広報室は27日、取材に対し、次のように対応を説明した。 「手回り品の持ち込みや保管は、お客様ご自身でしていただくようお願いしております。盗難被害に遭われた際には、まずは警察にご相談ください。車内でお困りごとがございましたら、巡回中の車掌にお申し付けください」 新幹線の荷物棚から荷物が置き引きされる被害は、最近目立っているようだ。 神奈川県警の鉄道警察隊は、これまでの犯罪の傾向を踏まえて、「すり・置引き被害について」と題して県警サイトで8月26日に注意喚起を行っている。 置き引きについて、「日常利用する電車内で多く発生しています」とし、手口として、「新幹線車内や指定席でトイレや電話などで席を離れた隙を狙って座席や荷物棚(網棚)に置いてあるカバンなどを盗む」ことを挙げた。他には、「荷物棚(網棚)に置いたカバンの横に、同じようなカバンを置いて持ち去る」「仮眠中の人を狙って気付かれないようにしてカバンなどを盗む」などがあるとした。 「犯人は注意力が低下した状態を狙って犯行に及びます」として、被害に遭わないためには、「貴重品などが入ったカバンはたすき掛けにして、体から離さない」「新幹線や指定席では、通路側に荷物を置かない」ことなどを呼びかけている。 (J-CASTニュース編集部 野口博之)