早大のエースRB、東松コーチの教えで急成長 「TDへの最短ルート・スピードの意識」でリーグダントツの10TD
法政に負け、スタンダードをゼロから見直し
前節の法政大学戦は関東の首位をかけた戦いだったが、13-16で負けた。この試合について安藤が言う。 「相手がどうのこうのという前に、自分たちがこれまで準備してきたものをフィールドで出しきれなかったという思いが強いです。いらないミスをしてしまって、いつもできてたことができなかった。前提の部分でこけてしまって、オフェンス全体が崩れてしまったような試合でした」 もちろん、相手がそうさせてくれなかったことや、全勝対決の緊張もあった。しかし自分自身で納得できるレベルをつくれなかったことが悔しかった。この2週間は、スタンダードをゼロから見直して徹底してやり直した。 「今日は、その部分では良い部分もあったかなと思います」。もちろん、現状に満足はしていない。
「大きな人に囲まれて」アメフトの道へ
親の仕事の都合でシンガポールで生まれ、海外生活が長かった。ずっとサッカーをしていて、帰国してからもクラブチームでプレーした。 高校受験に際し、最初は都立高校を受けるつもりだったが、通っていた塾が早慶受験に強みがある塾だったため、流れで早大学院を受験することに。受かったら「まあそのまま大学まで早稲田に行くのもアリかな」と考えが変わった。 早大学院でも、はじめはサッカーをつづけるつもりだった。「でも、入学後にロッカーを背に大きな人たちに囲まれて......」 アメフト部の体験会でFGを蹴って、入ったのが楽しかった。「Kの鎌田(凜太郎、24年卒)さんが、僕が登校する前に教室にきてくれていて『今日も来る?』ってすごく熱心に誘ってくれて。粘りに負けた感じだったんですが、入ったらすごく楽しかったです」 雰囲気は最高だった。「先輩たちはすごく人の良さが出ていて。アメフトを選んで良かったなと思います」 高校2年まではDBをして、3年になるとRBも掛け持ちするようになった。このときに、オフェンスでボールを持って走ることの楽しさを知ったという。 高校で思い出に残っている試合は、3年生の秋に関東大会で対戦した横浜栄高校との試合だ。「あの試合で僕、5TDとったんですよ。だから自分の中ではこれを大学でやりたいなと思っていて。さすがに5TDはあまり聞いたことないですし、それができれば試合にも勝てると思うので」。思い出になぞらえて、安藤は今の目標を話す。