日本ラグビーが“世界のクラブ大会構想”リードできるか? 「クロスボーダーラグビー」開催の是非
2月に行うことが両者にとってメリットがあるのか?
沢木敬介。10日のブルーズ戦を22―57で落とした横浜キヤノンイーグルスの指揮官は、「僕らはそれ(開催時期など)をコントロールできない」としつつ続けた。 「例えば(CBRの結果が)リーグ戦(の勝ち点など)に反映されるなど、この試合で勝つことの価値がわかる仕組みがあれば、例えば『CBRに出るためにリーグワンで4強に入る』という目標が生まれる。こういう仕組みがあれば、もっと発展していくんじゃないですか」 一昨季まで国内2連覇の埼玉パナソニックワイルドナイツは4日、ベストメンバーを組んでチーフスを破っている。しかし事前には、ケガのリスクを背負うこの大会に反対の立場だった。 その流れもあってか、同部のロビー・ディーンズ ヘッドコーチは強烈に警鐘を鳴らした。自身も過去に指導者として携わっていたスーパーラグビーの現状を踏まえ、CBRは各リーグ終了後の6月頃に実施すべきだとした。 「この時期(2月)に行うことが両者にとってメリットがあるのか、考えるべきです。正しいフォーマットで勝者を決める体系が、両者にとって、視聴者にとって正しいのでは。各国がドメスティックなラグビーを大事にし、その先に海外挑戦がある。そのようなシナリオがあった方が、ラグビーの未来にふさわしい。日本には、状況を変えていける力がある」 リーグワン側もディーンズと同様、このCBRを初夏に複数国を交えて行う国際大会にしたいと考える。ただしその実現には代表戦の日程、選手の休養期間も鑑み検討せねばならない。ハードルは高い。 一方、来季はリーグワンのレギュラーシーズンの試合が増える。来年の2月に今季のCBRのようなスケジュールを組むこと自体が難しい。東海林は続ける。 「来季すぐに 6 月にやるという設定は、なかなか難しい。CBRがどういう形にせよやるか、やらないか、それに伴ってわれわれのカレンダーをどうするかは、早急に決めないといけない」