黄色ナンバーのフィアット【4】並行輸入車が軽自動車登録された個体|2000年式 フィアット 126 マルチ
【2000年式 FIAT 126 Vol.4】 1997年にはじまる126マルチの時代、1999年からは、並行輸入された車両が軽自動車登録されて日本でも販売。当時、珍車好きのマニアの間ではなかなかの話題を呼んだ。 【画像17枚】ラゲッジスペースは、燃料タンクとスペアタイアにほぼ占領されてしまう そして2000年には、マルチ・タウンをベースとするファイナルバージョン「126Happy End」が赤/黄色それぞれ500台のみ限定生産され、フィアット126としてイタリアに誕生して以来、実に四半世紀もの歴史に幕を下ろしたのである。 今回の取材に協力いただいたフィアット126は、2000年生産とされるマルチ。日本に新車として並行輸入され、軽自動車の黄色いナンバープレートをつけた車両の一台である。 撮影の合間に、じっくりとステアリングを握るチャンスをいただいた筆者だが、実際に路上に走り出るまでは、50年代末までさかのぼることのできる基本設計ゆえに、かなり長閑なドライブフィールを予測していた。 ところが、わずか650ccの空冷2気筒エンジンに火を入れ、1速はノンシンクロの4速MTを操りつつ走らせてみると、実はとんでもなくファンなドライビングが楽しめることが分かってくる。 スペック上のパワーは24 psとささやかなものだが、実は高回転型のエンジンをブン回し、ハナの軽いRR独特のクイックな操縦性のもたらす走りは、まさしくスポーツカーはだし。スズキ製660cc3気筒ターボを搭載し、日本を含む世界中で大ヒットを博している傑作「ケータハム160」の数少ないライバルとさえ感じさせる。 そして、このクルマのもう一つの魅力は、黄色いナンバープレート。当時、軽自動車でも2019年ラグビーW杯を応援する、白いプレートが有償選択できることになったようだが、もしこの126マルチを所有するならば、黄色いナンバーから変更するような野暮はしたくない。このクルマは、軽自動車であることがステイタスと思える、数少ない一台なのである。 FIAT 126 ※スペックは初期型のものです。 主要諸元 Specifications 全長×全幅×全高(mm) 3109×1377×1335 ホイールベース(mm) 1840 トレッド(mm) 1142/1203(前/後) 車両重量(kg) 600 エンジン種類 空冷直列2気筒OHV 総排気量(cc) 652 内径×行程(mm) 77×70 圧縮比 8:1 最高出力(ps/rpm) 17.6/4500 最大トルク(kg-m/rpm) 4.2/3000 ブレーキ 前後ともドラム タイヤサイズ 前後とも135SR12 初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部
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