【社説】不確実性の延長で日増しに高まる韓国の経済・外交リスク
与党「国民の力」が7日夜、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾表決をボイコットしたことで、12・3内乱事態による深刻な経済・外交リスクが現実と化した。9日、KOSPI(韓国総合株価指数)は3%近く急落し、米国の第2次トランプ政権の発足を控えた重要な時期に正常な外交ができなくなり、国全体が手足を縛られた格好になった。国際社会は、正当な憲法的手続きによって現在の危機を収拾するまで、韓国を相手にしないだろう。「秩序ある退陣」云々とする政治的計算から離れ、大韓民国の経済と外交のために一日も早く弾劾を通じて不確実性を取り除かなければならない。 12・3内乱直後、国際社会が示した最初の反応は韓国と予定していた外交日程の中止だった。スウェーデンのウルフ・クリステルション首相が5~7日に予定されていた訪韓を見送ったことに続き、日本の石破茂首相も来年1月頃を目途に調整が行われていた韓国訪問について、「具体的にはまだ何も決まっていない」と述べた。4~5日に予定されていた4回目の韓米核協議グループ(NCG)会議も突然延期された。国際社会が、2021年2月にクーデターを起こしたミャンマー軍部や、2022年8月の米軍撤退で再び政権を握ることになったアフガニスタンのタリバン政府を相手にしないのと似たような状況が今、大韓民国をめぐり起きているわけだ。 韓国が国際社会で主要7カ国(G7)に匹敵する模範国として認められたのは、戦後誕生した独立国の中で民主主義と経済成長を同時に成し遂げた「唯一の例外」だったためだ。7日夜に弾劾が可決されていたら、突然の内乱の試みから4日後に憲政秩序を回復する驚くべき民主主義のレジリエンス(回復力)を持った国として再び「さすが韓国」と世界の注目と賛辞を受けただろう。しかし、国民の力が政略的利害関係で足を引っ張り、「親衛クーデター」を起こしたにもかかわらず、大統領が堂々とその座にとどまる後進的な姿を世界にさらしてしまった。国の体面が地に落ちたのだ。 また、KOSPIや為替相場などで経済はすでに直撃を受けている。長期化すれば、国家信用格付けが下方修正される可能性もある。これと共に、第2次トランプ政権の登場、朝ロ同盟の牽制など、急いで対応しなければならない懸案が一つや二つではない。今のような状況で不確実な体制を延長すれば、より大きな危機は免れない。国民の力が真の保守なら、政略的な利害よりも国のことを先に考えてほしい。 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )