JPモルガン、銀行の気候変動対策グループ脱退-米大手行では最後
(ブルームバーグ): 米銀大手JPモルガン・チェースは7日、銀行の二酸化炭素排出量削減を促す「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」を脱退すると発表した。ゴールドマン・サックス・グループやシティグループに続く動きで、ウォール街の大手銀の中では最後となる。
シティグループとバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン、ウェルズ・ファーゴが昨年12月に相次いで脱退し、1月に入ってからもモルガン・スタンレーが脱退を表明した。脱退は米銀に集中しており、トランプ次期政権による政治的圧力の高まりを懸念した動きとみられる。
NZBAの広報はコメントを控えた。
JPモルガンは声明で「エネルギー安全保障を推進しながら、低炭素技術をさらに発展させるための現実的な方策」に注力し続けることを目指すとした。脱退した他の銀行と同様にJPモルガンも、エネルギー転換や経済のさまざま部門の脱炭素化に取り組む顧客に対し、引き続き銀行業務や投資ニーズを支援する方針を示している。
NZBAからの離脱による現実的な影響は不明だ。ブルームバーグがまとめたデータによると、2021年の結成以来、銀行は化石燃料産業への融資は全体的に増えている。
NZBAのウェブサイトによると、同連合に現在も残る米国の金融機関はアマルガメイテッド・バンクとアレティ・バンク、クライメート・ファースト・バンクの3行のみで、欧州からは約80行の銀行が加盟している。
金融業界では銀行以外の分野でも同様のグループからの脱退が続いている。次期与党・共和党による訴訟リスクへの懸念から、保険業界の排出量削減を目指すグループでは23年に大量の離脱が起きた。また22年には、資産運用会社のこうしたグループから、業界2位のバンガード・グループが脱退した。
原題:JPMorgan Quits Climate Finance Group, Following Citi, BofA (1)(抜粋)
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Alastair Marsh, Saijel Kishan