交通量調査を元に算出! 国土交通省が公表している「旅行速度」とは?
「旅行速度」と「混雑時旅行速度」は行政用語
「混雑時旅行速度」という言葉を聞いたことある人は、けっして多くないだろう。中国語のようにも見えるし、または英語を日本語に直訳しているようにも感じる。 【写真】これを見れば道路状況がわかる!? 所要時間表示の色が違うワケ いったいこれは何なのか? 結論をいえば、いわゆる行政用語の一種だ。 順を追って見ていこう。 全国各地の道路整備計画を考える上で、さまざまなデータを参考にすることが必要だ。各地域の地形や、商業地・工業地・住宅地・観光地といった地域の区分や特徴、そしてそこを走る自家用車・商用車・バス・タクシー・トラックなどの交通の状況など、道路整備計画には多様なデータを収集することが求められる。 その上で、国は概ね5年ごとに「全国道路・街路交通情報調査」(旧:道路交通センサス)を実施して、その内容を一般向けに公開している。 直近では、令和3年度の「全国道路・街路交通情報調査」がある。そのなかで大きくふたつの調査がある。一般交通量調査(令和5年6月・公表)と、自動車起終点調査(令和5年12月・確報版公表)である。 前者には、集計結果が5つの結果表としてまとめられている。区画数整理表、延長整理表、道路施設延長整理表、交通量整理表、そして5つ目に旅行速度整理表がある。この旅行速度整理表は、47都道府県別で一覧表となっている。道路種別としては、高速自動車国道、一般国道の自動車専用道路、高規格幹線道路、都市高速道路、一般国道(直轄・およびその他)、主要地方道(都道府県道)、同(指定市道)などがある。 これらの道路において、トラフィックカウンターと呼ばれる道路側の計測装置や、車載器に搭載された衛星測位システムによる位置情報をクラウド上のプローブデータとして解析するなどして交通の流れる速度を割り出している。 これが「旅行速度」だ。時間帯では、交通量が多い朝夕と、日中のふたつに分類している。この朝夕での旅行速度を「混雑時旅行速度」とし、昼間の旅行速度を「非混在時旅行速度」と呼ぶ。 さらに、地域分類としては、人口密度が高い商業地域、同商業地域以外、その他の市街部、平地部、山地部という5つに分類されている。実際のデータを見てみると、混雑時と非混雑時の旅行速度の差は地域によって違いがあることが分かる。 また、都道府県別でも旅行速度に特徴が出ている。一般的なイメージとしては、東京や大阪の旅行速度が極めて低くなると思うが、地方都市の商業地域での混雑時旅行時間がかなり低い場合もある。 皆さんがお住まいの地域の混雑時旅行速度は時速何キロなのか? ご興味があれば、国土交通省のホームページで詳しいデータをご参照のほど。
桃田健史