【1月のBS松竹東急】映画好きなら見逃せない! 今見てほしいこの3本!! ―― レジェンドと呼ばれる俳優、監督、人気シリーズ作品
1月はレジェンドと呼ばれる俳優、監督、人気シリーズの作品が登場。俳優では第1作の公開から55周年を迎えた「男はつらいよ」シリーズの主演スター、渥美清が〝寅さん〞を演じる前に主演した喜劇映画を放送する。1967~68年に3本が作られた瀬川昌治監督による喜劇「列車」シリーズは、毎回、渥美清演じる当時の国鉄の職員が、ユニークな乗客たちと繰り広げる騒動を描いた鉄道コメディ。第1作「喜劇 急行列車」(67)では、渥美は奥さんがいるのに佐久間良子扮する女性に惚れ、楠トシエ演じる奥さんから浮気を疑われて四苦八苦する。この作品では東京̶長崎間を走る特別急行列車『さくら』や東京発西鹿児島行の『富士』が物語の舞台になるが、国鉄が全面協力した車内での撮影は鉄道ファンには興味深いだろう。3作通して佐久間がマドンナ的な役柄で登場。彼女との恋が実らないところは、「男はつらいよ」の〝寅さん〞を思わせる。また他にも渥美清が野村芳太郎監督と組んだ「拝啓天皇陛下様」(63)、「続 拝啓天皇陛下様」64)、「拝啓総理大臣様」(64)と続いた、「拝啓」シリーズ3本を併せて放送する。
五社英雄監督はフジテレビのディレクターから映画監督になった、テレビ界から映画業界に進出したパイオニア的存在。60 年代からスタイリッシュな映像と、豪快な殺陣による男性主体のアクションを得意としたが、その五社監督が〝女の情念〞にスポットを当てた大作映画を連発し、第2の黄金期を作った80年代の東映作品5本が登場する。その皮切りとなったのが、夏目雅子が俠客の娘を演じて注目された宮尾登美子原作の「鬼龍院花子の生涯」(82)で、今回は同じく宮尾登美子原作による「陽暉楼」(83)、「櫂」(85)と続いた〝高知三部作〞を一挙に放送。他にも明治初期の北海道・樺戸集治監を舞台にした「北の螢」(84)は、今だと『ゴールデンカムイ』のファンにもお薦めしたい一本である。中でも注目は、明治時代後期の吉原遊郭を舞台に、名取裕子など5人の俳優が演じる花魁の愛憎を描いた「吉原炎上」(87)。この作品では明治44年に焼失した吉原を、琵琶湖畔に建てたオープンセットで再現。150人の群衆が逃げ惑う迫力ある炎上シーンを含め、見どころ満載のスペクタクル大作だ。