【村本浩平コラム】闘争心から「影のボス」と称された幼少期のサヨノネイチヤ、大きく成長し、帝王賞制覇目指す
◇馬産地ライター村本浩平の「馬産地インサイ道」 デビューから14戦12勝。昨年から今年にかけて、南関東の重賞を3連勝して、帝王賞へと臨むサヨノネイチヤ(牡5歳、大井・坂井)は、ナイスネイチャの近親となる。 「ナイスネイチャを生産した渡辺牧場とは親戚であり、この牝系をけい養する運びとなりました」と話すのは、北海道浦河町・木村牧場の木村晃悦代表。 幼少期のサヨノネイチヤは、木村代表が「影のボス」と称したほどの闘争心を秘めていた。 1歳の春からセリの上場を目指して、コンサイナーでの管理が行われると、一気に馬体を大きくして、見た目にも「ボス」と言うべき風格が現れる。 「セプテンバーセールで購入していただいたのが、ナイスネイチャの弟となる、グラールストーンを所有されていた吉岡(泰治)オーナーでした。その時は血統がつないでくれた縁ではないかと思いました」(木村代表) デビューから破竹の快進撃を見せていくサヨノネイチヤだったが、その活躍は木村代表の想像をはるかに超えていた。 「この血統でダートの中距離を活躍できるとは、想像していませんでした。これも馬の能力を見極めながら、いい状態でレースに使ってくれた坂井先生や、関係者の皆さんのおかげだと思ってます」(木村代表) 帝王賞は初めての交流重賞だけでなく、ハイレベルなメンバーがそろった。 「これまでに経験したことのない流れになるかもしれませんが、自分の力を出し切って、ファンの皆さんの期待に応える走りを見せてほしいです」と木村代表。ナイスネイチャファンの声援も後押しに変えて、14年ぶりの地方馬優勝を目指す。
中日スポーツ