準備はハイキングの数日前から? 「シャリバテ」を起こさないための糖質貯蓄の方法とは
アウトドア好きの人は、「シャリバテ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。今回は登山やハイキングなどで起こりがちなシャリバテについて、その原因と対策をまとめてみました。 【写真】シャリバテを起こさないための行動食をチェックする(全8枚)
エネルギー不足はアウトドアの大敵
「シャリバテ」のシャリとはご飯のこと。エネルギーが足りずにバテてしまうことを指す登山用語です。登山だけでなく、距離が短いハイキングでもバテて思うように体を動かせなくなったり、足が上がらず転倒してしまうことも。最悪の場合命に関わる状態になってしまうこともあるのですが、起こりやすいものなので注意が必要です。 ハイキングや登山では長時間動き続けるので、普段の生活よりもはるかに多くのエネルギーを必要とします。そのため糖質不足によって低血糖の状態になるのがシャリバテです。身体を動かすためのエネルギー源は大きく分けて2つ。1つ目は筋肉に蓄えられた糖質、2つ目は脂肪として蓄えられた脂質で、糖質→脂質の順に有酸素運動によって消費されていきます。
シャリバテは予防できる
なってしまうと厄介なシャリバテですが、食事をしっかり摂ることで予防することができます。糖質は脂質に比べて体内に蓄えることができる量に限りがありますが、一気に摂りすぎると血糖値の乱高下を招く恐れがあります。そのためハイキングの数日前からご飯やうどんなどの炭水化物を中心に摂って体内に貯めておくことが大切。つまりアウトドアで朝が早いからと朝食を抜くというのは絶対にNGなのです。
行動食におすすめの食べ物
ハイキング中は、消費されたエネルギーを適宜補給することが大切です。一気にたくさん食べてしまうと胃腸の負担になるので、休憩の2回に1回程の頻度で「行動食」をこまめに摂取するようにしましょう。 「行動食」とは、ハイキングや登山の行動中にエネルギー不足を防ぐために食べるもののことです。エネルギー補給の糖質としてはおにぎりがおすすめ。おにぎりは糖質を多く含むだけでなく、腹持ちがいいところも大事なポイント。同じ理由でナッツ類も行動食に適しています。 脂質はタンパク質と共にエネルギーになるものなので、プロテイン入のシリアルバーも携帯性や食べやすさを含めておすすめ。他にもチョコレートや羊羹、ドライフルーツ、柿ピーナッツ、栄養ゼリーなども行動食として優れています。山歩きのお供として、お気に入りの行動食を探すのも楽しいかもしれません。 また、汗をかくことで失われる塩分を補うための塩タブレットや、こまめな水分補給も必須です。登山はもちろん、手軽に行けるハイキングでも油断せずに行動食を準備するようにしましょう。
野中陽平