「FWは点を取れば全部OK」J1アビスパ福岡の鶴野怜樹、12戦6発の「師匠」が注入した点取り屋の矜持とは
J1アビスパ福岡の鶴野怜樹が「FWの本能」に忠実となり、待望の今季初ゴールを目指す。 ■超絶フリーキック!前寛之がゴラッソ【動画】 25日の新潟戦(デンカビッグスワンスタジアム)はザヘディの出場停止もあり、1トップで4試合ぶりのスタメン出場。勝利に貢献しながらも「守備をしながら、攻撃もして点を取れるようにしていかないといけない」と満足はしていない。 献身的な前線からのプレスで相手に重圧をかけたほか、得意のドリブルで好機も演出。公式戦3連敗中だったチームの勝利の中で、欠かせない一人だったことは間違いない。長谷部監督も「彼の個性や長所は出せた。よく見て考えて、守備をどうすればチームは助かるか実行していた。チーム戦術の中で機能してくれた」と評価を与えた。 ただ長谷部監督はこうも続ける。「もう少しボールを収めたり、スピードを生かしたプレーができたと思う。彼はまだできる」と一層の高い期待を寄せる。鶴野自身も痛感している。後半28分に交代するまでにシュートは0本だった。「打てるチャンスはあった。前半にチームメートからも、思い切っていっていいんじゃないかと言われた。そこはストライカーとして脚を振っていかないと。まだまだ全然だめだな」と厳しい。 今季途中加入ながら12試合で6得点と量産するザヘディの言葉を胸に刻む。練習中もよくアドバイスを送ってくれる間柄だという。「シュート練習時に『腰が高い』とジェスチャーしてくれたり『シュートはワンチャンスしかないぞ。そのワンチャンスでどう決めるかだ』とか『FWは点を取れば全部OKだから』とか英語でわかりやすく言ってくれる。尊敬しているし、お手本になるところがたくさん」。だからこそ「もっと練習を積み上げていく」と若きストライカーは決意を新たにする。 ザヘディは次節の6月2日柏戦(三協フロンテア柏スタジアム)も出場停止で、ピッチには立てない。鶴野にもチャンスが巡ってきそうで「次は自分の得点でチームを勝利に導きたい」と〝師匠〟にも報いるゴールを挙げるべく決意を込めた。(山田孝人)
西日本新聞社