親だけ「生活保護」を受けるのは難しい?同居している「両親の介護費用」が家計を圧迫しています…
「生活保護は同居している家族全員が受けなければならないのか?」と疑問に思われている方もいらっしゃるでしょう。 世帯の全員が生活保護の受給者になるのを避けたい具体例としては「同居している両親の介護費用負担が大きいので生活保護を受けたいが、自分にまで所有できる財産などが制限されるのは困る」というケースなどが考えられます。 本記事では、生活保護から外れる「世帯分離」について、認められるケースとともにご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護は「世帯ごと」でないと受けられないのか?
生活保護法による保護が実施されるのは「世帯ごと」です。 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」では、「同一の住居に居住し、生計を一にしている者は、原則として、同一世帯員として認定すること。なお、居住を一にしていない場合であっても、同一世帯として認定することが適当であるときは、同様とすること。」とされています。 家族の一人が季節労働者として他の地域に働きに行っている場合や、子どもが義務教育を受けるために親元から離れて暮らしている場合など、実際には一緒に住んでいなくても「同一世帯」とみなすことが可能なようです。 なお、同資料で「当該要保護者がいわゆる寝たきり老人、重度の心身障害者等で常時の介護又は監視を要するものであるとき」は世帯分離をして差しつかえないという旨を述べています。 世帯分離が認められた場合であっても、別の場所に引っ越したり、住民票を分けたりする必要はないようです。
同居していても親だけ生活保護を受けることは可能?
ならびに、世帯員の中に、「働けるにもかかわらず働こうとしない」など生活保護の要件に満たない者がいても、ほかの世帯員が保護を要する状態にあると判断される場合は、世帯分離が認められる可能性があるとされています。 「同居している両親の介護費用が家計を圧迫している」という理由で金銭的な援助が必要な場合は「真にやむを得ない事情」に該当し、世帯分離を申請できるかもしれません。 世帯分離が認められた場合は、同居していても親だけが生活保護を受けられるようになります。ほかにも、子どもが大学や短大・専門学校などへ進学するにあたって、世帯分離によって世帯保護世帯から外れることが認められるケースもあります。