長野でおなじみのスーパー「ツルヤ」、ブランド力を武器に隣県に進出…戦略は「2・6・2」
――群馬進出の理由は。
人口減が進み、商圏を一つの自治体だけに捉えない方がいいと判断しました。長野県には現在、37店舗あります。営業本部(本社機能)の小諸市など拠点は県東部。長野と群馬の中心ともいえ、物流を考慮すると長野の南部より群馬の方が近いんです。
――PB誕生の経緯は。
数十年前、地元の農家が台風でリンゴが落ちて困っていました。メーカーに相談したところジャムやジュースならできるといい、商品化しました。日常的に飲んでほしいとの願いから手頃な価格にしています。
――店や売り場作りで心がけていることは。
長野と群馬は車社会で買う量が多く、1人当たりの単価も高いです。東京のスーパーは1回2000円ほどですが、うちは1回3000~4000円。カートを使うことが多いので、行き来しやすいように陳列棚の両側に60センチずつ確保するなどしています。
――かんら店以前の群馬の4店舗の業績は。
おかげさまでトップクラスの長野中央店(長野市)、なぎさ店(松本市)と同じ水準で、週末は3000人の来客があります。
――かんら店への期待は。
幹線道路沿いで利便性が良いので、高崎市や安中市、富岡市からも来てもらえればと想定しています。長野では、ブリやコイ、カレイなどを食べて家族で年越しを祝う「年越し魚」という風習があります。かんら店の周辺地域でも浸透するか試してみたいですね。