検証・鹿児島県警 ストーカー、盗撮…現職警官は警察情報を悪用した。軽い処分、透けるおごり…憤る被害側「信頼はゼロだ」
■ □ ■ 「住民の信頼を裏切る悪質な行為だ。立件しなかった経緯と職員の処分は」。7月の県議会総務警察委員会で、委員の一人が巡回連絡簿を使ったストーカー事案をただした。牛垣誠首席監察官は淡々と答弁し、「再発防止のため、指導と教養(研修)を徹底している」と締めくくった。 処分を巡っては、これまでに野川前本部長が「事案の内容を踏まえ、厳正に対処した」と強調。県警監察課は「訓戒でも対象職員は賞与減額など不利益を被る」と説明している。 処分の妥当性について、専門家の意見は厳しい。企業法務に詳しい正込法律事務所=鹿児島市=の正込健一朗弁護士は「民間企業に置き換えれば、顧客情報を悪用した犯罪行為で、解雇処分も十分考えられる。少なくとも、大きな罰則を伴わない軽微な処分で終わる話ではない」と指摘した。
南日本新聞 | 鹿児島
【関連記事】
- 不祥事相次ぐ鹿児島県警、野川本部長が転出へ 「なぜ今なのか」…隠蔽疑惑、異動で幕引き? 警察庁判断に募る不信
- 鹿児島県警の「何」に県民は失望しているのか…「発覚後の不適切な態度への不信だ」と指摘する県議に、本部長は「警察官が法を破ったことだ」…かみ合わぬ議論、説明は抽象論に終始した
- もはや底抜け。鹿児島県警の内部文書漏えいは巡査長に続き、前最高幹部まで…あいつぐ警官逮捕。県警トップは前日の県議会で「不祥事の一因はコロナ」と答弁
- 「現場の警官が一番つらいだろう」。トップが矢面に立たない…これが警察文化なのか。前代未聞、前最高幹部の逮捕会見にも本部長は現れず。県民の信頼どころか、内部にも不信渦巻く 鹿児島県警
- 不祥事相次ぐ鹿児島県警 警察庁の見解は? 書面で回答された本部長の転出経緯と、「隠蔽の疑惑なし」との結論根拠