トランプ氏「口止め料」裁判、量刑言い渡しの延期に同意 NY州検察
(CNN) トランプ次期米大統領が元不倫相手への口止め料を不正に処理した罪に問われている事件で、ニューヨーク州マンハッタン地区検察は19日、量刑言い渡しの延期に同意する意向を示した。検察側はトランプ氏側が行うとみられる訴訟取り下げの申し立てに対して法廷で争う構え。 ニューヨーク州地裁のフアン・マーシャン判事への書簡で、マンハッタン地区検事の事務所はトランプ氏の量刑言い渡しが「次の大統領の任期終了後まで」行われない公算が大きいことも認めた。それでも有罪判決は有効とするべきだと主張した。 地区検事に近いある情報筋は、これで裁判は4年間延期されることになるとの見方を示唆した。 1年前に4件の罪で起訴されたトランプ氏だが、ホワイトハウスへの復帰に備える現在、大統領選後に全ての訴訟を押しのけようとする同氏の弁護士らの試みは大いに成功を収めている。2件の連邦訴訟は終了に向かい、ジョージア州での裁判は長期にわたる休止状態。上記のニューヨーク州の裁判も、量刑が言い渡されないまま無期限に終了する構えとなった。 トランプ氏の広報担当者、スティーブン・チャン氏は声明で検察による提出文書に言及。これを「トランプ大統領の完全かつ決定的な勝利」と位置づけた。 連邦最高裁は今夏、トランプ氏の大統領免責特権を部分的に認める判断を下した。トランプ氏の弁護士らはこの判断に加え、同氏の大統領再選が決まったことも理由に、有罪判決は無効にするべきだと主張している。 CNNの司法アナリストで元連邦検事のエリー・ホニッグ氏は19日、大統領選の結果を受け、トランプ氏への量刑言い渡しの延期は避けられない状況だったと説明。米国には何人も法を超越しないという建前があるものの、大統領には大きな意味でそれが可能なのが実情だとした。理由としては上記の免責特権の判断と、現職の大統領は訴追できないとする司法省の方針があると述べた。