ブラジル人記者の町田ゼルビア本音評価「良い意味で嫌らしい」筑波大戦“ラフプレー論争”には「クロダ監督…ブラジルの監督のようだ」
なぜ開幕前に“降格の恐れなし”と予想した?
――今季の開幕前、あなたはブラジルのメディアに書いたJリーグ展望記事で「町田は中位以上を狙えるのではないか」と予想した。J2から昇格したチームはJ1で残留争いに巻き込まれることが多いわけですが、「降格の恐れがあるグループ」には入れなかった。それはなぜですか? 「様々な要因がある。サイバーエージェントという財力のある会社がスポンサーで、昨年のJ2優勝に満足することなく、レギュラーをほとんど一新するほどの大型補強を敢行した。黒田監督も、プロの世界に入って2年目で、経験を積んでいる」 ――Jリーグの多くのクラブの代表者が主要スポンサーから送り込まれているのとは異なり、サイバーエージェントの藤田晋社長自身が町田のCEOを兼務しています。 「町田からは、Jリーグの盟主となり、アジアのトップクラブとなって世界へ躍り出よう、という野心を感じるんだ。現に、町田のサポーターと話していると、彼らはすでに今季のJリーグ優勝のみならず来年のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)制覇まで見据えている」
最も嫌悪されているチームと表現したが
――シーズン序盤に書いた記事で、あなたは町田のことを「日本で最も嫌悪されているチーム」と表現しました。確かに当時は時間稼ぎ、ファウルの多さ、ロングスローなどに対する批判の声が非常に多かった。しかしその後、シーズンが進むにつれて、これらの批判がやや沈静化していました。なぜだと思いますか? 「最初の5節で4勝1分というロケットスタートを決めただけでなく、全38節中の17節、つまりシーズンの半分近くを消化しても首位を走っている。今年のみならず近年のJリーグで最大のサプライズであり、結果を出すことで批判の声を封じようとしているんだろう」 ――初昇格ではないものの、J2を制覇した翌年、すぐにJ1で優勝した例としては、2011年の柏レイソルと2014年のガンバ大阪があります。 「2011年の柏は、大敗を喫して『もうダメだろう』と思われたこともあったが、決して連敗することなく持ち直した。これまでの町田にも、同じことが言える」 ――5月22日のルヴァンカップの鹿島戦は、双方が先発メンバーを大幅に入れ替えながら、町田が試合を支配して完勝しました。 「町田は選手層が厚く、誰が入っても同じチームのプレースタイルが変わらない。これに対し、鹿島は守備陣の選手層が薄い。この弱点を露呈してしまった」
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