「ルフィ」名乗る指示役の広域強盗事件 “闇バイト”実行役の凄惨な犯行 「死刑がふさわしい」法廷で涙ながらに語った後悔
「金あると確信」90歳女性を殴打するよう指示
事件が起きたのは1月19日。事前に犯行に用いるためのバールや結束バンドなどを用意した永田被告らは、狛江市の住宅に宅配業者を装って侵入。その際、実行役はそれぞれイヤホンを装着してテレグラムを通話状態にし、指示役からの指示をリアルタイムで受けられる状態になっていた。 事件当時、在宅していたのは90歳の女性だけだった。実行役らは女性を結束バンドで緊縛した後、現金のありかを聞き出そうとしたり、家の中を物色したりしていたという。 地下室を物色していたという永田被告は、指示役の「キム」から「ババアが金のありかを言わない。一発喝を入れてきて」と言われ、女性が縛られている場所へ向かった。 永田被告: 女性は仰向けで手首を結束バンドで縛られていた。私は左手で女性の胸ぐらをつかみ、右手で左顎を殴った。(他の実行役に)さっさと金のありかを吐かせろ、と言って地下に戻った。 しかしその後も女性が現金のありかを話すことはなく、その反応に疑問を持った永田被告は、指示役の「キム」に女性が本当に現金のありかを知っているのかを確認。それに対し「キム」は知っている、と答えたという。 永田被告: 金は絶対にあると確信したので、女性の肝が据わってるから本気でやろうと思いました。
指示役「あちゃー人違いですね」 被害者は24カ所骨折
そして永田被告は他の実行役にバールで女性を殴るよう指示し、6~8回ほど背中や脇などをバールを用いて殴打させた。 その力は想像よりも強いもので、「マジか」と思ったという永田被告だが、自らの「メンツがつぶれる」ことを恐れ、殴る実行役を「やるやん!」と褒めたと語っている。 女性は弱々しい声で「なんでこんなことするの。やめて」などと助けを求めたが、その後も永田被告らは暴行を繰り返した。永田被告は「娘と息子も殺すぞ。家を燃やすぞ」などと脅迫したが、それでも現金のありかを聞き出すことはできなかった。 永田被告: 自分の拷問のレベルはすごかったので、女性の肝が据わってるか、何も知らないかのどっちかだと思いました。キムさんに「(女性が)本当に金のありかを知ってるんですか」と聞いたら「知ってますよ。写真を送ってください」と言われた。 永田被告はその指示通り、女性の写真を「キム」に送信。すると「キム」は「あちゃー人違いですね」と笑ったという。これに対して「報酬はあるのか」と激怒した永田被告に「キム」は別の案件を用意する、と答えた。 結局現金は見つからず、永田被告らは腕時計など4点を奪って逃走。その後、女性が亡くなったことを「キム」から聞かされ、「やっぱりな」と思ったという永田被告。検察の指摘などによると、女性の体には24カ所の骨折があったという。 永田被告: 後戻りできないなと思いました。僕は独特の倫理観があるんですけど、復讐するための殺しなら良いと思っています。全く関係のない堅気の人を殺すことは人間じゃない、クズです。なので終わったな、と思いました。自分自身の存在、考え方も終わったな、と思いました。
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