「ルフィ」名乗る指示役の広域強盗事件 “闇バイト”実行役の凄惨な犯行 「死刑がふさわしい」法廷で涙ながらに語った後悔
モンキーレンチを後頭部にフルスイング
2件目の“案件”は翌月、2022年12月5日に起きた東京・中野区での強盗。指示役から「中野区の一軒家に3000万ある」などと誘われ永田被告は再び参加を決めた。 共犯者らと宅配業者を装って住宅に侵入し、住人の顔面を殴るなどの暴行を加えて現金のありかを聞き出し、約3200万円を奪った。永田被告に対する報酬は150万円だったという。 その数週間後、永田被告は再び指示役から「金庫に3000万ある」などと誘われ、広島の時計買い取り店兼住宅の強盗への参加を決める。この時、永田被告は、中野の事件で被害者から激しく抵抗されたことから住人を「制圧」するための道具が必要だと考え、指示役にモンキーレンチを用意することを提案した。 12月21日、広島駅で共犯者らと合流した永田被告は車で強盗現場に向かった。その車内では指示役から、実行役全員で暴行を加えること、モンキーレンチで殴ること、暴行を加えなければ報酬は渡さないことなどが指示されたという。 この事件の実行役は6人。別の実行役2人が宅配業者を装いインターホンを鳴らし、玄関口で応答した母親を押し倒した。その後に永田被告らも押し入り住宅の2階へ上がり、2階にいた父親と息子の制圧を試みた。永田被告と他の実行犯2人は息子を制圧しようとしたが抵抗にあい、「まずいな」と感じた永田被告はズボンのポケットに入れていたモンキーレンチを取り出し、息子の後頭部を殴った。 永田被告: モンキーレンチをフルスイングで、後頭部を殴りつけました。モンキーレンチが反動で後ろに飛んでいきました。 永田被告: これまでの経験で、もっと大きなモンキーレンチで人の顎を殴ったことがあり、そのとき相手は気絶しました。首から上を殴ることが重要です。軽めの脳しんとうを起こして、気絶すると分かっているので、その方が楽だと思っていました。(そのような経験から)モンキーレンチでぶん殴っても死なないという認識でした。 殴られた息子は頭部から大量に出血。その姿を見た永田被告は「やっちゃったかもしれないと思った」というが、父親に金庫を開けさせ現金を奪い逃走した。 息子は現在も高次脳機能障害等の後遺症が残っているという。 2023年1月。4件目の“案件”は千葉・大網白里市のリサイクルショップの強盗だった。 指示役から「店主は老人1人、現金と金を奪う」などと誘われた永田被告は、実行役に自身の友人を誘い1月12日に千葉駅から車で店へと向かった。 店舗のドアから押し入り店主に暴行を加えたが、警報器が鳴り出すなどしたため現金などを奪わずに逃走した。 ヤミ金への返済日が迫っていたという永田被告だが、金を奪うことに失敗し当てにしていた報酬を得られなかったため、次の“案件”を用意するよう指示役に依頼した。その案件が、東京・狛江市の強盗致死事件だった。
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