辛酸なめ子さんが推薦!読むと勇気が出る「女性が自分で愛を掴み取る物語」|CLASSY.
恋愛では男性からのアプローチが欲しいと思ってしまう乙女心。でもその「選ばれたい」願望はいろんな危険をはらんでいる!? CLASSY.世代が心地よい関係を作るうえで必要な、「自分で選ぶ」ことの大切さについて考えました。
勇気が持てる「女性が自分で選び取る物語」を辛酸なめ子さんに教えてもらいました
文豪による名作、最新の話題映画にも女性が「選ぶ」ことで運命が動き出す物語がありました!映画、小説、舞台と、日々さまざまな物語に触れている辛酸なめ子さんが選んでくれたおすすめとは?
『J』(幻冬舎) 著者:延江 浩 女性主導で積極的に行動する恋愛を描いた作品は、意外と少ないように思います。男性側が選ぶ映画や小説が、世の女性の言動にブレーキをかけている部分もあるのかもしれません。ジェンダー格差も反映しているようです。 地位やお金を得た女性は、自由に選び取ることができます。『J』は、瀬戸内寂聴先生を思わせる尼僧で作家の女性が主人公。85歳のときに48歳年下のIT企業経営者(既婚者)の母袋と恋愛関係になります。母袋は先生に導かれるまま肉体関係を持ち、「ダメ男ほどいい男なの」と耳元で囁かれ骨抜きに……。恋心が冷めたあとの先生は秘書ごしに連絡するようになって、引き際もクールでした。
映画『マジック・マイク ラストダンス』 (2023年アメリカ) 『マジック・マイクラストダンス』も、資産家でシアター経営者のマックスが、元ダンサーでバーテンのマイクの才能や人柄に惚れ込んで、演出家に抜擢するというストーリー。シアターの演目を一緒に考えている時は、若返って青春を追体験しているようでした。マックスが夫の抑圧から解放され、自立する姿も素敵です。
ケムリ研究室no.2 舞台『砂の女』 原作:安部公房 必要に迫られて選んだ恋愛の物語は、『砂の女』。大量の砂が定期的に降ってくる家に住む女は、男手が足りないところに現れた順平を籠絡し、家から出られないように。いつしか2人の間に情が芽生えてきます。