ハーレーダビッドソンと過ごした南アフリカ【4】
『アフリカ・バイク・ウィーク』が開催される街、マルギット。南アフリカ東部のインド洋に面した人口2.6万人ほどの小さなリゾート地は、年に3回、大勢の人で賑わうという。1つは12月。南半球の真夏を楽しむリゾート地として非常に人気があり、ホテルの稼働率は100%近くになるという。2つ目は6月に行われる『ジャズ・フェスティバル』。街中がジャズ一色になる。そして、最後の1つが『アフリカ・バイク・ウィーク』だ。南アフリカ国内から、多くのバイクファンが集まるだけでなく、アフリカ大陸の各地、海を越えてオーストラリアやヨーロッパなどからも集まってくる。「基本的には静かな街だよ」と地元の人が話すほどだが、これらのイベントでの盛り上がりは異様な雰囲気になる。
『アフリカ・バイク・ウィーク』。ここには、アフリカ各地からライダーが集結する。ハーレーダビッドソンをはじめ、さまざまなバイクが一同に会する雰囲気は、異様な熱気に包まれる。南ア第二の都市、プレトリアから日本製のバイクで参加したライダーは「このイベントには毎年参加している。ここでハーレーをみると、いつか自分も乗りたいって思うね。もちろん、今乗っている日本製のバイクも最高さ。でもハーレーでロングツーリングを楽しみ、今のバイクを普段使いで乗りたいね」と、ハーレーへの憧れを持ちつつ、バイクそのものへの愛情を示していた。 南アフリカで盛んなスポーツは、ラグビー、クリケット、サッカーだという。ラグビーは2度、W杯で優勝したほどの強豪国。街を歩いていると代表チーム『スプリングボクス』のジャージを着た人とよくすれ違う。クリケットはW杯での優勝こそないものの、世界ランキングでは上位にランクしている。サッカーは、競技人口こそ多いものの、競技力はまだまだ発展途上といったところだろうか。では、バイクはどうか。人口は約10万人。そのうち、ハーレーダビッドソンのシェア約15%だという。それでも、『アフリカ・バイク・ウィーク』に集まるバイクの数は年々、増加傾向にあるそうで、今年は約1000台が集結。街中がバイク一色になるだけあって、バイクの街かと思わせるほど、マルギットは熱い1週間となっていた。 ちなみに、旅の思い出に、とこのイベントのTシャツを探したところ、どこも売り切れ。「用意はたくさんしてたんだけど、たくさん売れたよ」とは、ショップスタッフ。それもそのはず。この街に入ったのは、バイク・ウィークの後半。さすがに、“めぼしい商品”は、売り切れてしまっていた。