能登の漁業「二重被災」で苦境 11月のズワイガニ解禁控え
能登半島地震で海底隆起などの甚大な被害を受けた石川県の漁業は、記録的豪雨による「二重被災」で苦境が続いている。地震前は半島有数の水揚げを誇った輪島市の輪島港も、豪雨で港内の一部区域に土砂や木が流れ込んで水深が浅くなっており、国土交通省などが応急復旧を進める。11月には主力のズワイガニ漁が解禁されるが、現場からは「例年通りの操業ができるか分からない」と不安の声が上がる。 豪雨で輪島港湾内を漂流する流木に関し、県漁協輪島支所の上浜敏彦統括参事は「漁船と衝突しないか心配だ。船が損傷してしまう」と気をもむ。 震災後、輪島支所の職員9人が輪島市から避難し金沢市内にある県漁協の拠点に異動した。「募集しても、輪島に若い人はおらんね」(上浜統括参事)。輪島港では魚の計量や箱詰めを漁協職員が担っていた。 ある元漁師(83)は「カニは単価が高い。カニのおかげで漁師は食べていける」と語る。輪島市小型底引き組合会長の沖崎勝敏さん(50)は「漁に出られないことが、一番困る」とこぼした。
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